大阪にある安アパートに住む人々の姿を描く『コーポ・ア・コーポ』がいよいよ劇場公開!
©ジーオーティー/岩浪れんじ
大阪に建つレトロな雰囲気を残す安アパート・コーポに集まる訳ありの人々が織りなす群像劇を描く『コーポ・ア・コーポ』が11月17日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『コーポ・ア・コーポ』は、安アパートの訳あり住人たちと彼らを取り巻く人間模様をつづった群像劇。大阪の下町にある安アパート「コーポ」には、家族のしがらみから逃げてきたフリーターの辰巳ユリ、複雑な過去を背負い女性に貢がせて生計を立てている中条紘、女性への愛情表現が不器用な日雇い労働者の石田鉄平、人当たりは良いが部屋で怪しげな商売を営んでいる初老の宮地友三ら、さまざまな事情を抱える人たちが暮らしている。ある日、同じくコーポの住人である山口が首を吊って死んでいるのを宮地が発見する。似たような境遇で暮らす人間の死を目の当たりにした住人たちは、それぞれの人生を思い返していく。
本作は、コミックサイト「COMIC MeDu」連載の岩浪れんじによる漫画「コーポ・ア・コーポ」を実写映画化。主人公ユリを馬場ふみかさん、中条を東出昌大さん、石田を倉悠貴さん、宮地を笹野高史さんが演じる。監督は『燃えよ!失敗女子』の仁同正明さん。主題歌はT字路sが担当する。
©ジーオーティー/岩浪れんじ
映画『コーポ・ア・コーポ』は、11月17日(金)より全国の劇場で公開。関西では、11月17日(金)より大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や京都・二条のTOHOシネマズ二条や神戸・岩屋の109シネマズHAT神戸等、11月24日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で公開。
作品冒頭から見覚えのある大阪の景色が映し出され、関西人にとっては親しみを持って鑑賞できると思わせてくれる本作。大阪の何処かの下町にあるであろうコーポを舞台にして、生きるのが不器用な者達がお互いに丁度良い距離感で住んでいる者達を描いていた。家族との折り合いがつかなかった者、女たらし、異性との距離感を掴めない者、人情味が良さそうでも裏では闇が深そうな飄々とした老人のエピソードがメインだが、他には煙草の交換を求める者まで住んでおり、共同住宅という意味を持つ”コーポ”の中で住んでいるのは、奇跡のようであり自然な出来事なのかもしれない。突然起きた住民の自殺によってコーポに住むことを考えさせられながらも、時には食事を共にすることが出来る”不思議”なコーポがあるからこそ、生き方が不器用であっても終わらない日々を過ごすことが出来るのだろう…と考えながら、エンディングテーマであるT字路sの「愛おしい日々」がブルージーで心に沁みる。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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