前科持ちの少年が司祭になりすます、ポーランドでの事件を基に描く『聖なる犯罪者』がいよいよ劇場公開！
© 2019 Aurum Film Bodzak Hickinbotham SPJ. – WFSWalter Film Studio Sp. z o.o. – Wojewódzki Dom Kultury W Rzeszowie – ITI Neovision S.A. – Les Contes Modernes
実際に起きた事件を基に、仮釈放中の少年が聖職者と勘違いされたことで起こる騒動と、村人たちとの絆を描く『聖なる犯罪者』が２０２１年１月１５日（金）より全国の劇場で公開される。
映画『聖なる犯罪者』は、過去を偽り聖職者として生きる男の運命を描いたポーランド発の人間ドラマ。少年院に服役中のダニエルは、前科者は聖職に就けないと知りながらも神父になることを夢見ていた。仮釈放され田舎の製材所で働き始めた彼は、ふと立ち寄った教会で新任の司祭と勘違いされ、司祭の代わりを命じられる。村人たちは司祭らしからぬダニエルに戸惑うが、徐々に彼を信頼するようになっていく。数年前にこの土地で起きた凄惨な事故を知ったダニエルは、村人たちの心の傷を癒やそうと模索する。しかしダニエルの過去を知る男の出現により、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
本作では、主演のバルトシュ・ビィエレニアが、少年院出身のダニエルと司祭トマシュという正反対の人物像を緊張感たっぷりに演じる。監督は『ヘイター』『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』のヤン・コマサ。第９２回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。
© 2019 Aurum Film Bodzak Hickinbotham SPJ. – WFSWalter Film Studio Sp. z o.o. – Wojewódzki Dom Kultury W Rzeszowie – ITI Neovision S.A. – Les Contes Modernes
映画『聖なる犯罪者』は、関西では２０２１年１月１５日（金）より、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、２月５日（金）より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開。
前科者は聖職者になれない。たとえ更生した真人間であっても。ならば、相手を信じ込ませて聖職者として振る舞う…という時点で既に（法律上或いは宗教上の）更なる罪を犯している。本作の主人公には計り知れない恐ろしさがあると改めて気づかされた。信心する姿を見ていると、真人間として生まれ変わったようにも思える。人生を一歩踏み外してしまったことで少年院に入らざるを得なかったのかもしれない。信心することで本来の姿となったのか。真実はどこにあるのだろう、と探りながらも彼の魅力に惹きこまれてしまう。
主人公のダニエルを演じたバルトシュ・ビィエレニアは、舞台出身の俳優。類まれなる演技を以て見事に少年院を仮出所した若者を演じきっている。一強い眼差しからは天使と悪魔の両面性を備えており、偽りの聖職者としての喜怒哀楽を見事に表現し、次は何をしでかしてくれるのか期待すらしてしまう。様々な苦難を乗り越えた先に見つけた光は彼にとってふさわしいものだったのか。観る者の価値観を大いに揺さぶる一作が世に放たれた。
Related Posts
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします！
