僕達の夢はこの続き、アレを作り上げること…『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』神谷明さんと伊倉一恵さんとこだま兼嗣総監督を迎え舞台挨拶開催!
新宿を拠点にするスイーパーの冴羽リョウが、最後の戦いに挑む『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が全国の劇場で公開中。9月17日(日)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に神谷明さんと伊倉一恵さんとこだま兼嗣総監督を迎え、舞台挨拶が開催された。
映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』…
新宿を拠点にさまざまな依頼を解決する凄腕の始末屋「シティーハンター」の冴羽リョウとパートナーの槇村香のもとに、動画制作者の女性アンジーから、逃げた猫を捜して欲しいとの依頼が入る。一方、警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を借り、バイオ企業ゾルティック社の発明について捜査に乗り出す。その発明は戦場の兵士を超人化する恐ろしいもので、かつてリョウをむしばみ、パートナーの槇村秀幸を死に追いやった「エンジェルダスト」の最新型だった。
本作は、北条司さんの大ヒットコミックをアニメ化した「シティーハンター」の劇場版。声優陣にはリョウ役の神谷明さん、香役の伊倉一恵さんらオリジナルキャストが再結集。前作『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』に続いてこだま兼嗣さんが総監督、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のむとうやすゆきさんが脚本を手がけ、TM NETWORKがエンディング曲「Get Wild」に加えオープニング曲も担当した。
上映前に、神谷明さんと伊倉一恵さんとこだま兼嗣総監督が登壇。まずは神谷さんが「俺の名は冴羽リョウ。都会に潜む虫けらどもを掃除する。それが俺の仕事だ。誰かが俺に言った。俺には血と硝煙と薔薇の香りがよく似合う、と。俺は都会のスイーパー、シティーハンター!」が決め台詞を放つ。続いて、伊倉さんが「もっこりリョウには100tハンマー。今回もしっかりお見舞いしております」と御挨拶。そして”もっこり総監督”として、こまだ総監督が挨拶を行った。
コロナ禍中のタイミングで製作された本作。こだま総監督は「ほとんど次は無いだろう」と想定し、別の仕事に携わっていたが、2020年末、製作について一報を受け「えぇ~!」と焦ってしまう。一度は断ったが、プロデューサーから「オブザーバーでいいから参加してくれ」と依頼され応じると、結局は総監督に。伊倉さんは4年半ぶりとなった新作への依頼を受け「前回の評判や数字も良く、やってもらえると嬉しいな」と思っていた中で、昨年4月に報せを聞いた。脚本を読んだ神谷さんと原作者である北条司さんから「おもしろかった。でもねぇ…」という反応を聞かせてもらう。昨年末にシナリオを読ませてもらい「すごいおもしろい。え、これは…」と同様の反応に。ここで、神谷さんから「大変なアクションシーンが多く、それを言葉で全部書いてある。読みながら理解しますが、これどうやって映像にするの!?と頭をよぎり、かたき役の皆さんの演技が大変。特に女性役が大変」と説明すると共に「さらには台詞一言だけの皆さんでも本当に素晴らしい。隅々に至るまで一人一人の力を結集した作品になっています。見所がいっぱいあります。ぜひ見逃さないようにして頂きたい」と念を押す。
冴羽リョウについて、神谷さんは「毎回振れ幅が大きい。ギャグからシリアスまで演じています。想像を絶するぐらいに極端です。見ていると納得して頂ける」と力説するが、伊倉さんは「そうかなぁ。納得できるかな、よく分からないけど」とツッコミ。「依頼者が素敵な美女なので、のぼせちゃうのは分かるなぁ」と理解を示すと、神谷さんは「今回は(香から)ガンガンくる。文字とか書いてあるので、見逃さないようにして頂きたい。笑っちゃうところもありました」と苦笑い。エンディングテーマには「Get Wild」が流れるが、伊倉さんは「いつもの聞こえ方とは違うんだなぁ。皆さんはどんな風に思われるのかなぁ」と興味津々だ。
本作を描くにあたり、こだま総監督は「現代的な”エンジェルダスト”を描こう、と。”クスリ”等の表現は避けて違う表現にしよう」と検討。以前のTVアニメーションでは薬品に関する事項で自主規制していたが「今回は映画。映像よりも現実が進んでいることもあり、少し解禁しよう。それと共に、冴羽リョウの過去、エンジェルダストについて正面から向き合わなくてはいけない、という使命感もあり、今回のような展開になりました」と説明する。エンジェルダストについて、神谷さんは「最初からストーリーの底辺には流れていますが、一瞬忘れてしまうようなところがある。冴羽リョウの原点に迫る、という表現についても、原作を読んだ方は納得できるつくりですが、全く知らない方でも分かるように表現しているので、楽しんで頂ける」と話す。伊倉さんは「香はエンジェルダストを知らないところからTVシリーズは始まっている。皆さんと同じ感覚で観られた」と思い返す。
見どころについて、神谷さんは「香のトラップを避けるシーン。毎回様々なトラップを仕掛けられている。画を見ていると、遅れちゃうんですよ。だいたい覚えておいて、ぶっつけでやるんです。今回もあまりテストを行わず上手く出来たんで良かったな」とおススメ。さらに「前回のキャチコピー『俺を呼んだのは君だろ』という台詞をどうしても言いたくて、脚本になかったんですが、プロデューサーの若林豪さんに相談し、なんとか言わせてもらえないか、と依頼し入れて頂きました」と明かし「どこに入っているか探して頂きたい」と提案。伊倉さんは「トラップには様々なテイストを入れています。アクション的には、カーチェイスや美しくて格好良いアクション見逃さないで下さい」とおススメしていく。こだま総監督は、ゲストヒロインのアンジーについて「キャラクターをどういう風に設定しようか、と悩みました。今まで150本近くを手掛けていますので、最早新しいキャラクターは出来ないだろう。シナリオ会議で皆で相談して、もっこり無知とスイーツ無知でギャグになるんじゃないか、と挙げ、面白いシーンを盛り込みました」と思い返す。
そして、大阪での舞台挨拶ということで、神谷さんから「皆さん、アレおめでとうございます」とお祝い。「アレが達成される試合をずっとCSで観ておりました。感動しました。僕は野球ファンです。頑張っているチームを応援するようになり、今年の阪神はドラマチック。選手は良いですよね。僕はオリックスを応援するために京セラドームに来たことがあるんです。その頃はオリックスは岡田監督。復活されて素晴らしい名采配をされていた」と印象に残っている。伊倉さんは「昨日、美味しいものを頂きました。大阪は食べ物が美味しいですね」とお気に入り。なお、大阪を舞台にした作品を提案され、こだま総監督は「今回は、新宿から近くの都市まで移動しました。次回作では、無いとは言い切れませんよね」と期待してしまうコメントも。「僕自身は大阪に出ることは構わないんですが、プロデューサーという強敵がいるので…」と言葉を濁すが、神谷さんは「リクエストをしてみる価値はあろうかと…」と期待を寄せていく。
最後に、神谷さんから「皆さんの応援で、今作が出来上がりました。でも僕達はこの作品を作り上げた時、アレをもう一度、と思いました。僕達の夢はこの続きでありますアレを作り上げることでございます。でも、そんな時は皆様の沢山の応援、そして、この映画の素晴らしさを多くの皆様にお伝えして頂きたい。シティーハンター、これからもモッコリよろしくお願いします」とメッセージを送り、舞台挨拶は締め括られた。
映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』は、全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や T・ジョイ梅田、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸のOSシネマズミント神戸等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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