世界の巨壁に“単独・無酸素・未踏ルート”で挑み続けたクライマーの足跡を振り返る『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』がいよいよ劇場公開!
(C)TBSテレビ
2021年にアジア人初となる、“ピオレドール生涯功労賞”を受賞し、歴史に名を残した登山家である山野井泰史さんの足跡を、未公開のソロ登攀映像や関係者への取材で描いていく『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』が11月25日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』は、日本を代表するクライマーである山野井泰史さんに密着取材したドキュメンタリー。世界の巨壁に単独・無酸素・未踏ルートで挑み続け、2021年には登山界最高の栄誉であるピオレドール生涯功労賞をアジア人として初めて受賞した山野井泰史さん。その後も彼の挑戦は終わらず、伊豆半島にある未踏の岩壁に新たなルートを切り拓くべく奮闘する。
本作では、自身もヒマラヤ登山経験のあるジャーナリストの武石浩明さんが監督を務め、長期に渡る取材を敢行。貴重な未公開ソロ登攀映像や、同じく登山家である妻の妙子さんへの取材、関係者の証言などを交えながらその軌跡を振り返り、“垂直の世界”に魅せられた男の生き様に迫る。ナレーションを岡田准一さんが担当した。
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映画『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』は、11月25日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
極限状態に到達した人間の挑戦は凄まじい。まさに自身の人生をかけて目の前に聳え立つ挑んでいる姿を見せらせると、自分は世界の中でどれだけちっぽけな存在なんだ、と叩きつけられたような気分だ。日本を代表するクライマーである山野井泰史さんについて、本作を通じて改めて知った。飄々とした話し方の裏には、秘めたる熱い思いがあることが十二分に伝わってくる。だが、自らをどこまでも犠牲にすることはしていない。どんな状況においても冷静沈着に目の前にある状況を判断し、一番リスクが低い道筋を選んでいく。だからこそ、”もうダメだ”と思っても冷静に思考できるのではないか、とすら思えてきた。そんな山野井さんと生涯を共にする妻の妙子さんも同じ道を歩んできたパートナーである。生活を共にする方が同じように登山を営んでいないと人生の伴侶は務まらない。極限状態に到達した人間を理解できる方が近くに存在しないと、まさに”人生クライマー”とは呼ばれないだろうか。そして、冷静に考えると、山野井さんを間近で追いかけたカメラマンや監督がいないと、彼の足跡を記録に残すことが出来ないことを認識しておきたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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