深い悲しみの中にいた大学生が水墨画と出会い、魅了されていく姿が描かれる『線は、僕を描く』がいよいよ劇場公開！
（C）砥上裕將/講談社 （C）2022 映画「線は、僕を描く」製作委員会
アルバイト先で水墨画に出会った大学生が、声をかけられた師匠に師事し、戸惑いながらも白と黒で表現された世界に魅了されていく様を描く『線は、僕を描く』が１０月２１日（金）より全国の劇場で公開される。
映画『線は、僕を描く』…
大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で水墨画と運命的な出会いを果たす。白と黒のみで表現された水墨画は霜介の前に色鮮やかに広がり、家族を不慮の事故で失ったことで深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変する。巨匠の篠田湖山に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。
本作は、水墨画の世界を題材にした砥上裕將さんの青春小説「線は、僕を描く」を、横浜流星さんの主演、『ちはやふる』の小泉徳宏監督のメガホンで映画化。篠田湖山の孫で霜介にライバル心を抱く篠田千瑛を『護られなかった者たちへ』の清原果耶さん、霜介の親友である古前を『町田くんの世界』の細田佳央太さん、霜介に触発されて古前と共に水墨画サークルを立ち上げる川岸を『サマーフィルムにのって』の河合優実さんが演じ、三浦友和さん、江口洋介さん、富田靖子さんらが脇を固める。
（C）砥上裕將/講談社 （C）2022 映画「線は、僕を描く」製作委員会
映画『線は、僕を描く』は、１０月２１日（金）より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のＴＯＨＯシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマ、難波のＴＯＨＯシネマズなんば、京都・二条のＴＯＨＯシネマズ二条や三条のＭＯＶＩＸ京都や七条のＴ・ジョイ京都、神戸・三宮のＯＳシネマズミント神戸等で公開。
寡黙な役が似合いすぎる清原果耶さんと、喪失感に苛まれる横浜流星さんの演技が、最高に素晴らしかった。『ちはやふる』の製作陣が再結集したということで、映画の隅々から”ちはやふる節”のような面白さが溢れ出ているのがわかる。『ちはやふる』で【かるた】をテーマにした青春映画を作り上げたように、古くから存在する日本の文化や芸術を題材にしても、若者達の心を掴んで引き離さない演出面の魅力が、本作も至る所に仕掛けられていた。勝負所での見せ方や、映画を彩る研ぎ澄まされたような劇伴、逆光を使った演出まで、どれをとっても美しさが勝るのだ。
白と黒だけで絵を表現する【水墨画】。物語が進むにつれて、水墨画の持つ魅力に引き込まれていってしまう。劇中、霜介が描いた渾身の１枚は、あまりにも美しく、黒という１色であったとしても階調を駆使することで、暗澹とした闇に差す希望の光のような木漏れ日までをも表現することができていた。まるで水墨画を描く筆先のように、しなやかで清らかな心温まる演出の数々に、心が洗われてしまう。鑑賞後は身体が少し軽くなったようにも感じるほど、素晴らしい作品でした。
fromねむひら
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- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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