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日本が抱えている無戸籍問題や、社会的に弱い立場の人々に焦点を当てた『空のない世界から』がいよいよ劇場公開!

2022年10月18日

(C)2021 ライツキューブ

 

夫のDVから逃れた身重の主人公が、住みこみで働きながら娘を育てたものの、小学校入学を前に無戸籍の子供をどうしたらいいか苦悩する様を描く『空のない世界から』が10月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『空のない世界から』は、支援があってもうまくそれが浸透していない、シングルマザーや無国籍の子どもに対する日本の現状を踏まえ、懸命に生きる人々の姿を描いたドラマ。暴力を振るう夫から娘のさくらを連れて逃げ出してきた麻衣香。郊外にポツリとたたずむラブホテルにたどり着き、誰にも知られぬよう、そこで住み込みで働きながらさくらを育て、早7年が経った。さくらは小学校に通う年齢だが、生まれてから今まで無戸籍のままで、麻衣香は娘にどうしてあげたらいいのか分からずにいた。そんな時、彼女の背中を押してくれたのは、世の中から「必要ない」とされている人々だった。

 

本作は、「HKT48」卒業後、俳優として活動している兒玉遥さんが、無戸籍の娘をもつシングルマザーという役どころに挑んだ主演作。主人公の麻衣香を兒玉さんが演じ、佐藤江梨子さん、上村侑さん、窪塚俊介さん、本宮泰風さん、根岸季衣さん、小沢仁志さんら実力派キャストが脇を固めた。メガホンをとったのは、俳優として数々の作品に出演してきた小澤和義さん。

 

(C)2021 ライツキューブ

 

映画『空のない世界から』は、は、10月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月21日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、10月22日(土)より神戸・新開地のCinema KOBE、10月28日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。

郊外に聳え立つラブホテルの中には、様々な現代社会の抱える問題があるように見えた。DVや差別から逃れるように現実と距離を置く人達を象徴する夜のホテル。質素な暮らしであったとしても、家庭的な温もりを感じさせる住み込み生活の様子に、不思議と居心地の良さのようなものが伝わってくる。さくらが生まれてから「逃げてばかり」と語る麻衣香が自身の行動を改めて気づけたように、避けていた過去や現実と向き合えるようになるまで、一時的な”逃げる”という選択肢は、心の平穏を取り戻すためにも、現代社会では必要な選択肢なのかもしれない。何かから逃げたい人や、逃げている人達を、否定せず、最後には希望を持って己との向き合い方を見つめ直せる作り手の優しさを感じる作品だった。

fromねむひら

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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