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イギリスを代表するインディペンデント音楽レーベル、クリエイション・レコーズの創設者アラン・マッギーの半生を映画化した『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』がいよいよ劇場公開!

2022年10月18日

(C)2020 CREATION STORIES LTD ALL RIGHTS RESERVED

 

オアシスなどを見いだしたクリエイション・レコーズの創設者アラン・マッギーの半生を映画化した『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』が10月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』は、1990年代のブリットポップ・ムーブメントを牽引したイギリスの音楽レーベル、クリエイション・レコーズの創設者アラン・マッギーの波瀾万丈な人生を映画化。スコットランド生まれのアランはロックスターを夢見ていたが、保守的な父親と衝突してばかりいた。ついに故郷を飛び出しロンドンで暮らし始めた彼は、仲間と共にクリエイション・レコーズを設立。トラブル続きのレーベル運営の中でアランは宣伝の才能を開花させ、次々と人気バンドを輩出する。その一方で、彼はレーベル運営のプレッシャーや家庭問題によって精神的に追い詰められていく。

 

本作では、『トレインスポッティング』の監督ダニー・ボイルが製作総指揮を手がけ、同作の原作者であるアービン・ウェルシュとディーン・キャヴァナーが脚本、同作に出演したユエン・ブレムナーが主演を務めた。監督は、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』等に出演の俳優であるニック・モランが担っている。

 

(C)2020 CREATION STORIES LTD ALL RIGHTS RESERVED

 

映画『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』は、10月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のイオンシネマ シアタス心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

これは、アラン・マッギー版『トレインスポッティング』だ!…と云っても過言ではない。

 

1990年代当時、音楽雑誌等を通じて、オアシス、プライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン等々、錚々たるUKロックバンドを知り聴き込んでいくと、自然とインディペンデント・レーベルであるクリエイション・レコーズの存在を知った。勿論、創設者であるアラン・マッギーがドラッギーな人物であることも報じられている。活動終了後も新たなレーベルとして「Poptones」を設立し、最近では、7インチ・レコードのレーベル「Creation23」を設立している。

 

彼は、自身が組んだバンドでは芽が出なくとも、才能あるインディー・バンドを見つける才能には秀でていた。借金だらけのレーベル運営であっても、”体制”には中指を立て、自らの千里眼を信じて邁進していく。とはいえ苦悩の日々は続き、ドラッグに手を出してしまった時は多々ある。だが、延長線上にあるアシッド・ハウスに開花してプライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』という名盤が生まれた。同時期にはティーンエイジ・ファンクラブの『バンドワゴネスク』もある。金食い虫にもなってしまったマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの存在も大きい。各バンドにによる名盤の紆余曲折を経て、オアシスを発見し、国民的バンドへと押し上げていった。まさにUKインディー・ロック界の成り上がりであるが、ドラッグに溺れてしまう人間性の弱さも覗け、どこか憎めない存在である。

 

なお、アラン・マッギーを演じたのは、『トレインスポッティング』でヘロイン中毒で人がいいスパッドを演じたユエン・ブレムナー。こんな役が出来るんだぁ、と驚いたが、やはり憎めない役柄を演じると輝いていた。そして、『トレインスポッティング』の原作者が脚本を手掛け、監督のダニー・ボイルがプロデュースとなれば、自然と『トレインスポッティング』と重なる作品性は十分にあるわけだ。『トレインスポッティング』のラストに流れる「Born Slippy」を手掛けたアンダーワールドはクリエイション・レコーズ出身ではないので、あの高揚感を感じられなくとも、本作においても、アラン・マッギーが成し得た偉業がもたらしたものが映し出され、一種の多幸感がある。

 

日本では、2004年に90年代UKロックシーンを振り返る『リヴ・フォーエヴァー』や、2011年にクリエイション・レコーズに迫る『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』といったドキュメンタリーが公開されてきた。そして、いよいよ劇映画として当時を描く本作が日本で公開される。1990年代のUKロックの盛り上がりを体感した世代も、90年代リバイバルを楽しんでいる若い世代にも存分に楽しんでほしい一作だ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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