独身生活を謳歌するラジオジャーナリストと9歳の甥が数日間の共同生活を通して絆を育んでいく『カモン カモン』がいよいよ劇場公開!
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独身生活を謳歌しているジャーナリストが、9歳の甥との共同生活で互いにぶつかり合いながらも成長し、大切な絆を育む様を描く『カモン カモン』が4月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『カモン カモン』は、突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を、美しいモノクロームの映像とともに描いたヒューマンドラマ。ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…
本作は、『20センチュリー・ウーマン』『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズが監督を務め、『ジョーカー』での怪演でアカデミー主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスが、一転して子どもに振り回される役どころを軽やかに演じた。ジェシー役は新星ウッディ・ノーマン。『女王陛下のお気に入り』のロビー・ライアンが撮影監督を担当し、ロックバンド、ザ・ナショナルのアーロン・デスナーとブライス・デスナーが音楽を手がけている。
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映画『カモン カモン』は、4月22日(金)より全国の劇場で公開。
もし、何らかの事情で突然にも自分の甥っ子や姪っ子と共同生活をすることになったら、どんな風に振る舞えるだろう、と思いながら鑑賞してしまった本作。ラジオジャーナリストのジョニーは、アメリカの各地を回りながら、子供達へのインタビューをしていく。登場する子供達は、大人達が想像するような子供らしい子供ではない。どこか大人びた振る舞いをして、冷静に大人達を見つめており、未来に希望を抱いている。翻って、本作に登場するジョニーや彼の妹であるヴィヴは、子供を前にして不器用にしか生きられない。完璧に振る舞える大人は本来はそんなに多くはいない、と気づかされる。だからこそ愛おしい存在だと本作は映し出す。そこで彼等は本を読むことで生き方のヒントを見出していく。ふと気づくと、未来は可能性に満ちていることに改めて気づいた。
本作を手掛けたマイク・ミルズ監督は、自身の子供をお風呂にいれている時に着想を得た、と云う。監督だって子供から教えられることがある。子育ては親育てである、とは納得だ。そして、数々の話題作を生み出してきた気鋭のスタジオであるA24とジョニーを演じたホアキン・フェニックス、そしてマイク・ミルズは今回が初タッグを組んでいる。演技派俳優としての地位を確立してきたホアキン・フェニックスが、子供に振り回されるキャラクターを軽やかに演じていることにも好感が持ててしまう。好奇心旺盛で少し風変りな甥のジェシーとの掛け合いはとても微笑ましい。ホアキン・フェニックスがアメリカ各地の子供達に「君を幸せにするものは?」「未来に希望を持ってる?」とインタビューしていく。マイク・ミルズ監督が未来を担う子供達に託したラブレターのようにも受けとめられ、ずっと観ていたくなる作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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