ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド物語』 を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化!『ウエスト・サイド・ストーリー』がいよいよ劇場公開!
© 2022 20th Century Studios.
1957年のニューヨークを舞台に、敵対するふたつの非行グループの闘争の中で生まれる許されざる恋を描き出す『ウエスト・サイド・ストーリー』が2月11日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』は、1961年にも映画化された名作ブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」を再び映画化。1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功を求めて世界中から多くの移民が集まっていた。社会の分断の中で差別や貧困に直面した若者たちは同胞の仲間と集団をつくり、各グループは対立しあう。特にポーランド系移民の「ジェッツ」とプエルトリコ系移民の「シャークス」は激しく敵対していた。そんな中、ジェッツの元リーダーであるトニーは、シャークスのリーダーの妹マリアと運命的な恋に落ちる。ふたりの禁断の愛は、多くの人々の運命を変えていく。
本作は、スティーブン・スピルバーグ監督が、『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートがトニー、オーディションで約3万人の中から選ばれた新星レイチェル・ゼグラーがマリアを演じ、1961年版でアニタ役を演じたリタ・モレノも出演。『リンカーン』のトニー・クシュナーが脚本、現代アメリカのダンス界を牽引するジャスティン・ペックが振付を担当。
© 2022 20th Century Studios.
映画『ウエスト・サイド・ストーリー』は、2月11日(金)より全国の劇場で公開。
今回、ディズニーより、『ウエスト・サイド・ストーリー』の試写会に招待頂きました。名作ブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」を再び映画化、という第一報を聞いた時、今更!?という思いが過ったが、これはしっかりと訂正したい。現代の映像技術を以て、1950年代後半のニューヨークの出来事を、現代に通ずる物語としてブラッシュアップしていた。そもそもは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を置き換えたストーリーではあるのだが、普遍的な物語としてスティーブン・スピルバーグ監督が甦らせている。
冒頭からドローンを用いた当時のニューヨークの景色に圧巻させられた。そして、1960年代の映画だと感じさせるような色彩や光のバランスを整えた画の中で奏でられる音楽によってミュージカルの世界に惹き込まれていく。アメリカン・ドリームを求めて世界中の人が集まっていた当時のニューヨークへと一気にタイムスリップしたような感覚だ。だが、本作が描くのは、東欧系移民とプエルトリコ系移民の不良少年を中心とした対立を描いている。ニューヨークのすみっこに追いやられた若者達が自分達の暮らしを維持していくための対立でしかない。そんな状況下において、禁断の恋が生まれ、多くの人々の運命を変えていってしまう切ない物語となっていく。現代の視点でみれば、対立ではなく多様性を以て互いに歩み寄ることが出来れば、分断も生まれなかったとさえ感じる。温故知新な物語が2020年代の今こそ制作され公開される意義を噛み締めたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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