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香港電影金像奨で最優秀監督賞に6度輝いたアン・ホイ監督の映画人生を辿るドキュメンタリー『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年11月8日

2020(C)A.M. Associates Limited

 

シルヴィア・チャン、アンディ・ラウなど著名人のインタビューを交えて、さまざまな作品を手がけ、香港映画を牽引してきたアン・ホイ監督の素顔を映しだす『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』が11月13日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』は、『客途秋恨』『女人、四十。』など幅広いジャンルで数々の作品を手がけた香港映画の巨匠アン・ホイの映画人生を追ったドキュメンタリー。1947年、中国人の父、日本人の母のもと中国に生まれたホイは、52年に家族で香港に移住。1980年代以降、ツイ・ハークやパトリック・タムらとともに、香港ニューウェーブの旗手と称された彼女は、香港映画の発展に大きな貢献を果たしてきた。日本人の母との慎ましやかな日常生活、香港への思い、女性としての生き様、エネルギッシュな撮影風景、そしてシルビア・チャン、アンディ・ラウ、ホウ・シャオシェン、フルーツ・チャンなど香港、台湾、中国映画界の重鎮たちの証言から、アン・ホイの実像に迫っていく。監督は『君のいた永遠(とき)』で美術監督、衣装デザイナーを務め、本作が初監督作品となるマン・リムチョン。アン・ホイ監督作品『女人、四十。』で音楽を手がけた大友良英さんが音楽を担当した。

 

2020(C)A.M. Associates Limited

 

映画『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』は、関西では、11月13日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、12月24日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。

アン・ホイ監督についてのドキュメンタリーであるため、監督の作品についてある程度知っていないと分かりにくい内容なのだろうかと思われるかもしれないが、そんなことはない。むしろ何も知らないが故に監督に特別な思い入れのない状態で、その人となりを捉えた内容を楽しむことが出来る。少しでも香港映画が好きならば、より一層楽しめるシーンも多い。あくまでもアン・ホイ監督を捉えている場面の端々に大勢の俳優達が映り込んでおり、彼等を探すのが楽しくもある。本作は、2021年の第16回大阪アジアン映画祭オープニング作品として上映されたが、劇中でインタビューを受けるたアンディ・ラウがあるセリフを言った瞬間に、場内が爆笑に包まれた。香港映画に詳しくなくても、彼が大スターだということだけ知っていれば可笑しさは伝わるはず。

 

今日まで40年の間、映画を作り続けているアン・ホイ監督。現時点で20本ほどの監督作では10~30年前の作品が大半なのだが、日本では未公開の作品も多く、過去の公開作も販売が終了していたりネット配信が無かったりしており、鑑賞手段のハードルはなかなか高い。アジアン映画祭上映時のタイトルは、原題の「Keep Rolling」を直訳した『映画をつづける』。今年74歳になったアン・ホイ監督は、年齢による衰えも吐露する一方で「これまでの映画製作の現場で学んだことを次に生かせる!」と目を輝かせていた。願わくば、本作で再び監督に注目が集まり、過去作の観賞機会も増えてほしい。現在の厳しい状況の香港を、彼女はどんな気持ちで見守っているのだろうか。次回作が待ち遠しい。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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