日々の些細な出来事の中に“家族の人生”という長い時間の存在を浮かび上がらせる『メモリィズ』がいよいよ劇場公開!
©2026LittleMore
東京と大分県竹田市を舞台に、脚を骨折した義父の身の回りの世話をしにやって来た男性が、写真館の手伝いをしながら東京にいる妻子と映像を送り合う様子を通して、記録と記憶の重なりを描く『メモリィズ』が6月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『メモリィズ』は、家族の記憶と記録をテーマに描いたドラマ。東京で妻子と暮らす雄太は、足を骨折した義父・誠が回復するまで身の回りの世話をするため、九州の田舎町へやって来る。雄太は義父が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻と娘との間で、スマートフォンで撮った映像を交わす日々を過ごす。大きな事件は起こらなくても、日々の些細な出来事の記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間が静かに、鮮やかに浮かび上がっていく。
本作では、柄本佑さんが主演を務め、父の世話を雄太に託して東京で仕事と子育てを続ける妻のゆきを「SHOGUN 将軍」『少女邂逅』の穂志もえかさん、雄太との日々を言葉少なに過ごす義父の誠をイッセー尾形さん、家族の大切な記憶を象徴する人物を香椎由宇さんが演じる。京都造形芸術大学在学中から短編作品で注目を集め、卒業後は石井裕也監督作の助監督や土井裕泰監督作のメイキングカメラマンなどを務めてきた坂西未郁監督が長編初メガホンをとった。

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映画『メモリィズ』は、6月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
足を骨折した義父が回復するまで身の回りの世話をするため、九州の田舎町で義父が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝う日々を描いていく本作。突如としてやって来た非日常でありながら、義父にとっては日常の日々を描いてもいるようで、なんとなくジム・ジャームッシュ監督による『パターソン』を観ているような気分にもなってしまう。朝に義父が営む写真館へ向かう道中での食事の風景、義父が飼っている犬との散歩の中で出くわす光景、写真館の中でのお仕事、出張先での撮影の立会…義父にとってはありふれた光景であっても、主人公にとっては新鮮な日々だ。そんな光景を写真の中に収めて、東京にいる妻と娘との間でコミュニケーションを重ねていく。なんとかけがえのない愛おしい日々だろうか。そんな日々を重ねていく中で、大なり小なりの変化があることに気づかされていくことも愛おしいのだ。実に”映画的な”写真を扱った作品である。愛おしい日々の記憶を、写真として記録していくことの大切さにも気づかされていく。記録を眺める穏やかな時間を映し出していくシーンには、なぜだかハッとさせられる瞬間がある。そこから意外な方向へとストーリーが展開されていくので、日常の中にある非日常が際立っていくようにも感じてしまう。本作のタイトルが『メモリーズ』ではなく『メモリィズ』であることに慈しみさえ感じられ、作品全体に込められている”古き良き思い出”にいつまでも浸っていたい…と思わせてくれる作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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