幕末の京都の村で貧富や立場の区別なく人々を救う蘭方医の姿を描く『幕末ヒポクラテスたち』がいよいよ劇場公開!
©「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会
幕末の京都の村を舞台に、貧富や立場に関係なく人々を助ける蘭方医の奮闘と次代への思いを描く『幕末ヒポクラテスたち』が5月8日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『幕末ヒポクラテスたち』は、旧来の漢方医と西洋医学を学んだ蘭方医が混在した幕末を舞台に、村医者である蘭方医の大倉太吉の奮闘を描いた時代劇。幕末、京都の郊外に位置する村。大倉太吉は、貧富や身分を問わず市井の人々を救う、寛容で好奇心旺盛な蘭方医。漢方医の玄斎とは、日々激しい論争を繰り広げる犬猿の仲だ。ある日、気性の激しい青年・新左を太吉が手術で救ったことを契機に、太吉と新左の人生が大きく変化していく。
本作は、京都の医大生たちを描いた群像劇『ヒポクラテスたち』で知られる大森一樹監督が、人情味あふれる医者とその妻を描いた1960年の映画『ふんどし医者』をベースに、幕末の京都を舞台とした、日本の現代医学の黎明期を描く作品として本作を企画。撮影準備中の2022年に大森監督が逝去したことで、企画は幻となりかけたが、かつて大森監督の助監督を務めていた『独立少年合唱団』の緒方明監督が遺志を継ぎ、完成へとこぎつけた。太吉役を佐々木蔵之介さんが演じるほか、『ヒポクラテスたち』が映画デビュー作の内藤剛志さんが太吉のライバルである玄斎役を務め、『ヒポクラテスたち』で研修医を演じた柄本明さんが謎の侍である弾蔵役で出演。また、ナレーションを大森監督作『風の歌を聴け』で映画デビューを果たした室井滋さん、脚本を1970年代から大森監督をよく知る西岡琢也さんが担当するなど、大森一樹監督ゆかりのキャストやスタッフ陣が多数参加している。

©「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会
映画『幕末ヒポクラテスたち』は、5月8日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema神戸国際等で公開。
漢方に関する医学知識・技術や薬剤が日本にいつやって来たか、はっきりとこの時からということはできない。だが、日本の漢方医学の一大転機といわれるのは、室町末~安土桃山時代に活躍した曲直瀬道三の出現。非常な名医として知られ、織田信長や豊臣秀吉等の名立たる戦国武将も治療師素晴らしい成果を残している方だ。それ故に、江戸時代では漢方医には地位があったが、実は免許制度がなかったことに驚くばかり。かたや、蘭方は、長崎・出島でしっかりと学ぶことができ、漢方医から蘭方医に転じる方がいることも納得できる。それ故に、本作冒頭では、漢方医と蘭方医の違いを暗に皮肉を込めながら描いていることが興味深い。されど、お互いに患者を治すことに専念していることに変わらない、ということは重要視しておくべきだ。しかし、集落一体で感染症が拡がってしまったら、一大事。容易に治療できないことを明確に見せつけられてしまうと言葉を失ってしまう。これは、現在放送されている連続テレビ小説『風、薫る』にも共通した描写があることで関心を持ってしまう描写だ。なお、本作と『風、薫る』に共に藤原季節さんが出演していることも興味深い。本作では、どのようなキャラクターであるか、楽しみにして観てほしい限り。現代ほど医療技術が発展していなかった幕末にどのようにして医者が奮闘していたのか、を垣間見ることができる一作である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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