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観終わった後、大切な人をもっと大切にしたくなる…『楓』福士蒼汰さんと福原遥さんと行定勲監督を迎えライトアップサプライズイベントが開催

2025年11月23日

大切な人の死をきっかけにめぐり会った男女の運命と、彼らを見守る人々を描く『』が12月19日(金)より全国の劇場で公開。11月23日(日)には、大阪難波のなんば広場に福士蒼汰さんと福原遥さんと行定勲監督を迎え「なんば広場」2周年記念 映画『楓』ライトアップサプライズイベントが開催された。

 

映画『』は、世代を超えて愛されるスピッツの名曲「楓」を原案に、大切な人を失った男女がたどる切ない運命を描いたラブストーリー。須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1ヶ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄である涼だった。恵の死後、ショックで混乱した亜子は目の前に現れた涼を恵だと思い込み、涼も本当のことを言い出せずにいた。幼なじみの梶野だけが真実を知り、涼を見守っていたが、涼を慕う後輩の日和や亜子の行きつけの店の店長である雄介は違和感を抱く。涼は二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐな亜子にひかれていく。一方、亜子にもまた、打ち明けられない秘密があった。福士蒼汰さんが双子の涼と恵の2役、福原遥さんが亜子役で主演を務め、宮沢氷魚さんが梶野役、石井杏奈さんが日和役、Travis Japanの宮近海斗さんが雄介役で共演。『世界の中心で、愛をさけぶ』『窮鼠はチーズの夢を見る』の行定勲監督がメガホンをとり、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』の髙橋泉さんが脚本、作曲家・音楽プロデューサーのYaffleが音楽を手がけた。

 

今回、なんば広場に約1000人のお客様が駆けつけた中で、福士蒼汰さんと福原遥さんと行定勲監督が登壇。福士さんは「来てくれてありがとう」と頑張って関西弁訛りで伝えながら「ホントに沢山の方に集まっていただいて…今日、サプライズだったんですよね。皆さんこんなに集まってくれてありがとうございます」とご挨拶。福原さんも「みんなぁ、ありがとう。大阪めっちゃ好きやねん。 ほんまに来れて嬉しいわ」と関西弁を頑張り「今回は『楓』で来させていただいたんですけど、私は朝ドラでも1年間大阪にいたので、大阪の皆さんに久々に会えてほんまに嬉しいです。 今日は楽しんでってください」と喜びを伝えていく。行定監督もプレッシャーを受けながら「おおきに」と感謝の気持ちを伝えた。

 

 

 

本作の脚本を読んだ当時、福士さんは「双子という設定で、2役を演じていたんですけど、設定上、もう1人のふりをしなきゃいけない、ということもあって、3役をある種やっていたんですよね。 なので、この『楓』という曲からそういう物語が生まれるんだ、という可能性だったり、この劇中の場面とこの歌の歌詞はこんな風に繋がるのかもしれない、ということが分かったり。『楓』の聞き方が変わったな」と感じていた。福原さんは「こんなに切ない作品があるんだ…登場人物それぞれの思いを感じるだけで、すごく胸がキュっとなる瞬間がたくさんある作品だったんです。スピッツさんの『楓』という曲もそうなんですけど、きっと誰もが別れや喪失というものを経験すると思うんですけど、そういうものをすごく肯定して、そっと背中を押してくれるような、観終わった後に本当に心が暖かくなるような、素敵な作品だったので、やるのが楽しみでした。その思いが皆さんに届いたらいいな」と願っている。

 

スピッツのメンバーも試写会で映画を御覧になっており、行定監督も立ち会った。鑑賞後、お会いする機会もあったが、お互いに緊張し会話することさえ出来なかったが「僕がいないところで仰っていたのは…俺と会って喋るのが緊張した、とか」と明かし「僕、直接聞いていないんですけど、草野さんが30年前にこの曲を書いた時、静かな1曲だったんです。静かなしっとりとした曲として書いたんだけども、30年前の自分に、いつか映画になるよ、と言ってあげたい、というぐらい凄い美しい映画だった、と言ってくださったみたいで、非常に嬉しかったですね」と話し、喜びをかみしめている。

 

 

共演相手である福原さんについて、福士さんは「とにかくピュアで真面目ですね。だから、役に対しても凄く真っ直ぐ捉えますし、この亜子という女の子を演じるんですけど、亜子に対してもホントに愛を注いで演じているな」と気づくと共に「どこでも編み物をするんですよ。編み物が物凄く大好き。今回、ニュージーランドでの撮影をしたんですけど、ニュージーランドのロケ先でも編み物をしていて、ウール買った、と言ってウールを見せてくれたりとかね。編み物大好きなんだ」と感心していた。福原さんは福士さんについて「本当にストイックで努力家な方なんですけど、意外とお茶目な部分もある方なんだな」と気づき「お家のシーンで、お部屋に猫のぬいぐるみがあったんですよ。そのぬいぐるみを急に持ち始めて、ぬいぐるみで話しかけてきて、こんにちは、とか言って緊張を解してくださった。現場のムードメーカーで、いつもみんなを笑顔にしてくださってた」と明かしながら、現場で支えてもらっていた。

 

来月公開される本作について、福原さんは「ニュージーランドの景色はぜひ楽しんでいただけるポイントかな、と思いますね。2週間ぐらい撮影で行ってたんですけど、とにかく景色が綺麗で壮大で自然がたくさん。 テカポ湖という場所でも撮影したんですけど、日によって全然表情が違うんですけど、そこがすごく感動したので、きっと大きいスクリーンからも楽しんでいただけるんじゃないかな」とおススメ。行定監督は「最も日本的なラブストーリー」と表現し「僕も20年前に『世界の中心で、愛をさけぶ』という映画を作って、20年ぶりぐらいにこれだけ実直な映画を作らせていただくことになったんです」と説く。「日本情緒的な感情が、この映画の中で重要なポイントとしてあり、楓の花言葉には”遠慮”があるんですね。お互いに踏み込まない距離感を、外側から見るとじりじりするような…でも、お互いにものすごく思いやるが故に踏み込めない部分を重要に描いている」と述べ「そこが、狂おしい気持ちにさせてくれる映画だ」と話す。福士さんは「ものすごい人間らしい作品だな」と挙げ「劇中でも、それぞれがそれぞれを思いやる言葉が出てくるんですけど、ほんとにその通り。それぞれの登場人物が人のことを慮って生きていくことで、登場人物5人が輝いて見える、というか、綺麗に見える。でも、人間らしくある瞬間もあり、そういう部分を見ていて…恋愛映画だし、人間ドラマが描かれている作品だな」と感じていた。そして「めっちゃええ映画やで。観てな」と関西弁でゴリ押ししていく。

 

 

今回の来阪にあたり、福士さんは大阪について「数年前にドラマで大阪に2ヶ月間ぐらいいました。その時は難波に泊まっていたんですよ。皆さん2ヶ月間泊まっていて、元気な明るい街だな、と思った。お店もたくさんあるし、食事処もたくさんある。一軒、美味しいご飯屋さんを見つけて、そこに毎週通っていました」と振り返る。難波が日本の映画興行発祥の地であることを行定監督も初めて聞き「僕、映画祭とかもやっているんです。昨日までやっていたんです。映画祭が象徴するように、映画は、たくさんの人と一緒に同じ空間で観る、という行為だから、人を活性化する、元気づけられる。自分の感情と隣の人の感情が違ってもいいじゃないですか。 そこに生まれる熱量みたいなものが、隣の人が泣いていると、その気持ちに自分もほだされる、という部分もあると思うんです。同じ劇場で見る、というのは、人が集まるイメージがあるので、そういう風にコラボレーションしていって、この場所が活気がある場所になっていくと、映画みたいな街になるんじゃないかな」と思い浮かべていた。

 

最後に、行定監督は「すごく心の奥底が温まる映画になっていると思います。 是非とも劇場で。そして、音楽がスピッツはじめ『楓』が全部で4曲流れます。 それがリフレインしていくんですけども、そういうのも、凄くいい劇場の音響と共に楽しんでいただければ」とおススメ。福原さんは「亜子と涼が大切な人をなくしてしまって、そこからどのように自分たちと向き合って立ち上がって前へ進んでいくのか、ぜひ注目していただきたいです。きっと観終わった後に大切な人をもっと大切にしたくなるような、すごく心温まる、冬にぴったりな作品になっていると思うので、ぜひ劇場で楽しんでください」とメッセージ。そして、福士さんは「監督もおっしゃっていましたが、劇中で4回『楓』が流れます。 そして、4回それぞれがそれぞれ異なる色味があるんですよね。 その色味の差も感じてほしいな」と願いながら、最後に流れるスピッツの『楓』について「これは27年前にリリースされて、27年間ずっと愛されてきた曲だと思います。 これを劇場で聞くとこんな感想になるんだ… 僕も、映画を観る前、観た後で感想が違ったので、皆さんもどう感じるかな、というのはすごく楽しみです。12月19日に公開になりますので、ぜひ劇場でご覧ください」と伝え、イベントを締め括った。

 

映画『』は、12月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマT・ジョイ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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