母国であり異国の地を訪ねる少女を描く『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』がいよいよ劇場公開!
©2019(PUPKIN)
戦火を逃れた両親に育てられた少女が、ボスニアへ戻った父を訪ねる旅を、監督の半生を交えて描く『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』が9月13日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』は、幼い頃に別れた父を訪ねてボスニアへ向かう少女と、彼女の旅の道連れとなる2人の青年の姿を、詩的かつユーモラスに描いたロードムービー。オランダで暮らすボスニア人の少女アルマ。両親は戦火に揺れる祖国を離れてオランダで暮らし、アルマを育てたが、やがて父はアルマと母を置いてボスニアへ戻り、疎遠となっていた。ある日、父が入院したという知らせが届き、アルマは母に言われるまま、単身ボスニアへ向かう。ボスニアの空港でアルマを出迎えた従兄エミルは無愛想で何の手助けもしてくれず、エミルの“インターン”を名乗るデニスだけが彼女の話に耳を傾けてくれる。父のいる町を目指しバスに乗り込むアルマだったが、休憩の間にバスは彼女を置き去りにし、荷物だけを乗せたまま走り去ってしてしまう。
本作では、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でオランダ育ちのエナ・センディヤレビッチが長編初監督を務め、ジム・ジャームッシュ監督作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に多大な影響を受けながら、主人公に監督自身のルーツを投影して描き出す。タイトルは、スコットランド出身のロックバンドであるモグワイの楽曲名に由来する。2019年の第48回ロッテルダム国際映画祭にてタイガーアワード特別賞を受賞した。

©2019(PUPKIN)
映画『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』は、9月13日(土)より全国の劇場で公開。関西では、9月19日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。
Mogwaiの楽曲に由来する本作のタイトル。インストゥルメンタルが中心のMogwaiにしては珍しく歌詞付きの楽曲であり、フィードバックギターを中心にしたサウンドにストリングスや管楽器も加わっていくが、基本的には静かめな楽曲だ。浮遊感ある楽曲だが、「どこか素敵な場所に連れてって」というタイトルが本作にもマッチしている。主人公の少女は、父の入院という報せを受け、母に言われるがままに1人でボスニアへ向かうことになるが、単純な1人旅にはならない。スーツケースを携えて長距離バスに乗り込んだが、休憩している間にバスは出発し、置き去りになってしまい、”素敵な場所”がどこにあるのだか途方に暮れるしかなかった。そこからは不思議な縁を頼りにして、一風変わったロード―ムービーの始まり。彼女は父親の元へ辿り着くことができるのか。頼りにしていた従兄とその仲間と繋がっていくことができるのか。この2人とのやり取りは、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』への遠からず近からずなオマージュも込めており、ちょっとした刹那さもあり、愛おしさもあるのだから、憎めないのだ。この主人公は、監督自身のルーツを投影して描き出したようだが、一体どんなルーツが…!?と気になるところだが、不思議な魅力を放つ空気感に包まれていたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















