オリヴァー・ストーンがエネルギー問題に切り込む『未来への警鐘 原発を問う』がいよいよ劇場公開!

©2023 Brighter Future, LLC
経済成長のために2050年まで現在の2倍から4倍のクリーン電力が必要とされる一方、度重なる被ばく経験によって、核への恐怖を扇動する行為の是非を考える『未来への警鐘 原発を問う』が8月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『未来への警鐘 原発を問う』は、『プラトーン』『7月4日に生まれて』等の巨匠オリバー・ストーン監督が、エネルギー戦争の裏側に迫ったドキュメンタリー。アメリカの科学者ジョシュア・S・ゴールドスタインが、いかに気候変動を解決するかを考察した著書「明るい未来」をもとに、原子力エネルギーの可能性について見直していく。2017年、トランプ大統領はアメリカをパリ協定から脱退させ、気候変動を「でっちあげ」としたが、多くの人々は再生可能エネルギーという形のクリーンエネルギーを選んだ。再生可能エネルギーへの世界の投資額は約3兆ドルに達し、太陽光発電は8割、風力発電は5割コストが下がったものの、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、30年以内に炭素排出をほぼ100%カットしなければ、2050年までに生態系と経済に深刻な被害が及ぶと示した。地球が気候変動とエネルギー不足の課題に直面するなか、ストーン監督は自ら原子力発電所などへ足を運んで取材を行い、いま人類が選ぶべきエネルギーとは何かを問いかける。
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映画『未来への警鐘 原発を問う』は、8月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月1日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、奈良・橿原のユナイテッド・シネマ橿原、8月23日(土)より兵庫・洲本の洲本オリオンで公開。

ご自身のベトナム戦争体験をもとに描いた『プラトーン』や『7月4日に生まれて』等で、社会派作品を多く手掛けてきたオリヴァー・ストーン監督。近年では、『コマンダンテ』『JFK 新証言 知られざる陰謀 劇場版』といった作品から社会派ドキュメンタリー作品を手掛けている印象も強いだろうか。本作では、現代のテーマにおける真骨頂として、原子力エネルギーの可能性を題材にしている。特に、日本においては、東日本大震災における福島第一原子力発電所事故によって否が応でも注目せざるを得ない作品だ。そんな真っ只中においても、第一次政権時のトランプ大統領はアメリカをパリ協定から脱退させ、気候変動を「でっちあげ」とした。誰もが憤りを感じずにはいられない。勿論、世界的には、多くの人々が、再生可能エネルギーという形のクリーンエネルギーを選んだ。ならば、オリヴァー・ストーン監督は、現実を指し示すべく、本作を製作するために立ち上がったのは自然な流れ。とはいえ、気候変動が止まることはない。そして、地球全体での人口増加は止まらず、エネルギー不足の課題には直面せざるを得ないのが現実だ。そういった遠くない未来に向けて、改めて原子力エネルギーの可能性について見直していくのが本作である。国が違えど、抱えている課題には共通していることが幾つもあり、「Think globally, act locally」となるきっかけの一つとなる作品だ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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