11歳の少女と自称ハリウッドスターの母が逃避行に繰り出す『KIDDO キドー』がいよいよ劇場公開!

©2023 STUDIO RUBA
児童養護施設で暮らす11歳の少女と、再会した自称ハリウッドスターの母親との逃避行を描く『KIDDO キドー』が4月18日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『KIDDO キドー』は、古びたスポーツカーでオランダからポーランドを目指す母娘の逃避行を、1960~70年代の名曲の数々に乗せて描いたロードムービー。オランダの児童養護施設で暮らす11歳の少女ルーのもとに、離ればなれになっていた母カリーナから突然の連絡が入る。自称ハリウッドスターだというカリーナは、再会を喜ぶルーを勝手に施設から連れ出し、ポーランドに住むおばあちゃんのところへ行くと告げる。カリーナにはルーとずっと一緒に過ごすための、ある計画があった。そんな母の型破りな言動に戸惑いながらも、一緒にいたい一心で母に着いていくルーだったが…
本作では、母カリーナ役に『No.10』のフリーダ・バーンハード、ローザ・ファン・レーウェン、マクシミリアン・ルドニツキ、リディア・サドウカらが出演。優れたビジュアルセンスと遊び心あふれる作風で注目されるオランダの新鋭ザラ・ドヴィンガーが長編初メガホンをとった。
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映画『KIDDO キドー』は、4月18日(金)より全国の劇場で公開。関西では、4月18日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも順次公開予定。

児童養護施設で暮らす主人公の少女。突如、離れ離れだった母親から連絡があり、久しぶりに会える機会がやってくる。現実なら、感動的な再会か、或いは、裏切られるか、といったところだろうか。だが、映画なら、ぶっ飛んだ登場を期待してしまう。すると、自称でハリウッドスターだと言われ、おばあちゃんのところへ行くと告げられる…ポカーンとしながらも、お母さんと一緒なら、いつまでもどこまでも付いていくのが醍醐味だ。児童養護施設側や周囲の人たちにとっては、突然に子どもが連れ去られたものだから、大騒ぎ。気づけば、母と娘による”ボニーとクライド”のようだ、といっても何ら差し支えない。体験したくてもできそうもない途方もない2人を描くロードムービーの出来上がりだ。とはいえ、母親の姿を見るだけでは、ハリウッドスターとは到底思えない。まさに演じているだけだ。でも、子どもにとってはかけがえのない自分だけの母親である。目の前でぶっ飛んだ出来事が起きたとしても、くっついていたいのだ。でも、そんな母親の姿を見ていると、哀愁すら感じてしまう。オランダ映画なんだけれども、古き良きアメリカを描いたようにも感じられ、まさに、アメリカン・ニューシネマへの愛が込められたような作品でもある。そんな懐かしさも感じながらも、刹那的な感情が次第に盛り上がってしまう、何とも愛おしい作品が届けられた。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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