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何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしだと感じている女性を描く『ナミビアの砂漠』がいよいよ劇場公開!

2024年9月3日

©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

 

何に対しても情熱を持つことができない女性が、恋人やクリエイターと過ごす様子をみずみずしく描く『ナミビアの砂漠』が9月6日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ナミビアの砂漠』は、現代日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描いた青春ドラマ。21歳のカナにとって将来について考えるのはあまりにも退屈で、自分が人生に何を求めているのかさえ分からない。何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしに過ぎなかった。同棲している恋人ホンダは家賃を払ったり料理を作ったりして彼女を喜ばせようとするが、カナは自信家のクリエイター、ハヤシとの関係を深めていくうちに、ホンダの存在を重荷に感じるようになる。

 

本作は、初監督作『あみこ』でベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待されるなど高く評価された山中瑶子さんが監督・脚本を手がけ、『あんのこと』の河合優実さんを主演に迎えて撮り上げ、2024年の第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞した。『猿楽町で会いましょう』『サマーフィルムにのって』の金子大地さんがハヤシ、『せかいのおきく』『プロミスト・ランド』の寛一郎さんがホンダを演じ、新谷ゆづみさん、中島歩さん、唐田えりかさん、渋谷采郁さんが共演している。

 

©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

 

映画『ナミビアの砂漠』は、9月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田テアトル梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

初監督作『あみこ』が東京の劇場で話題になっていることを知り、関西の劇場で公開の際には、舞台挨拶取材に駆けつけた。その際に鑑賞したが、鈍器でガツンと殴られたような衝撃を受けてしまう。劇場にはクリエイター志望が伺える若者が多く見受けられ、これからの時代の最先端を担うのは、このような若手監督なのか、と感心させられた。その後も、短編作品やTVドラマを手掛けていたが、山中瑶子監督が遂に長編作品を手掛ける。主演を河合優実さんにしたオリジナル作品で好きなことをやっていいよ、というプロデューサーの一言で、自身の作家性を発揮したアバンギャルドな作品を作り上げたことに畏れ入るばかりだ。主人公は、感情の行き先が定まらないながらも、自身の気持ちには可能な限り正直に応えて行動する女性を体現していた。先行き不透明かもしれない現代をもがきながら抗い続ける人間の姿を象徴しているかのようだ。だが、彼女と相対する男性にとっては、真摯に向き合うか、振り回されてしまうしかないのだろうか。とはいえ、彼女はひたすらに自分の居場所を探し求め、様々な人々に出会っていく。最終的に落ち着いたのは何処だったのだろうか。観客それぞれの中に、その答えの在り処があるような作品であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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