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あみこみたいになりたかった…『あみこ』山中瑶子監督と大下ヒロトさんを迎え舞台挨拶開催!

2018年12月1日

超ニヒリストの女子高生が、同じくニヒリストでサッカー部の人気者の青年に恋をして暴走する様を描く『あみこ』が12月1日(土)から関西の劇場で公開。上映初日には、大阪・十三の第七藝術劇場に山中瑶子監督と大下ヒロトさんを迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『あみこ』は、山中瑶子さんが10代最後に仲間と共に独学で撮り上げた記念すべき長編初監督作品。「人生頑張ったって仕方がない。どこへ行こうが意味はない、どうせ全員死ぬんだから」、そんな考えを持つあみこ。彼女は同じく超ニヒリストで、サッカー部の人気者でもあるアオミと恋に落ちる。ふたりは現代日本のボニー&クライドのようになるはずだったが……

 

上映後、山中瑶子監督と大下ヒロトさんが登壇。満員立ち見状態の中、舞台挨拶を行った。

 

約2年前に本作の脚本を書き終え山中監督は役者を探していく。当時19歳だった監督は映画を撮るのが初めてだったが、あみこを演じた春原愛良さんとアオミ役の大下ヒロトさんも演技が初めて。劇場公開を想定しておらず「大きいスクリーンで上映されることも深く考えてなかった。まさか、大阪へ舞台挨拶に来ると思ってなかったので嬉しいです」と本音を語る。大下さんにとっても「行き当たりばったりの撮影が不安だったが、完成して良かった。作品を観て、18歳だった時の初々しさや熱量、拘りや不安定さが表現できていて良かった」と嬉しかった。とはいえ、山中監督は、9月の東京公開前にはナーバスになり「8月末には逃げたくなり、関西在住の友達に初めて会いに行った。それは、作中でタロット占いをしていた子で兵庫県在住の大学生。結局、夜中を一晩中歩いただけだった」と告白する。

 

映画監督になりたくて、映画学科がある大学に入学した山中監督だったが、一緒に撮りたいと思える人が見つからず、大学も辞めた。『』を撮るまでは一年間は何もしていなかったが「何かしないといけないと思いつつ、映画を観たり漫画を読んでいたりしていた。日常で思いついたフレーズはメモするようにしており、そのメモからインスパイアされることは多い」と振り返り「何もせず降りてくるのを待っていることも大事」だと考えている。本作を撮るにあたり、監督はSNSを駆使して役者やスタッフを集めていく。大変な労力が必要だが、自身を追い込んで取り組んだ。とはいえ、自らスケジュールを組むのが苦手で「急な撮影日の変更をしながら、皆さんに付き合って頂いた。自分で言い出したのに、完成しなかったらどうしよう、という不安が一番大きかった」と振り返る。大下さんは「基本的に全部大変だった。長野の山奥で撮ったが、本当に寒くて…」と大変だった日々を回想していった。山中監督は鬼になった気持ちで取り組み「深夜2時まで撮影し、翌朝5時から再び撮影。自分が出来るから皆も出来るだろう、と思って押し付けていたこともあった。申し訳ないです」と悔やんでいる。監督の様子を鑑み、大下さんは「休みをお願いしても進まないので、僕は勝手に一人で温泉に行っていた」と明かす。山中監督はホッとしながら「皆それぞれに慣れていった。隠れて休んでいて良かった」と安心し「最近、人に迷惑をかけてはいけないという風潮が強いが、必要であればかけていいと思っている」と言う。映画撮影においてモチベーションを保つのは大変だが「本作は自分が言い出したこと。ここで頑張らなければ終わりだ、と思ったり、撮影期間中でも憧れの映画を役者と一緒に観たりしていた」と作品作りに励んだ。大下さんも「最初に、監督の脚本がおもしろい、と思って参加した。辛い時でも身を任せて頑張らなければいけない」と自らを奮い立たせている。

 

春原さん演じる主人公のあみこは個性的なキャラクターであり、劇中ではダンスも振る舞う。ダンス経験のない春原さんだったが、振付を当日の撮影前に共演者に教えてもらった。山中監督は「身体性が高く、滑らかな動きをしますよね」と絶賛。本作が処女作であり「監督があみこ自身なんじゃないか」と言われがちだが「あみこの要素も持っている。高校生時代はアオミくんっぽかった。キャラクター皆が自分に覚えのある感情を持っている」と述べる。さらに「私は、あみこのように振り切って思うままには動けなかった。高校時代は、もう少し上手く振舞うようにしていた。でも、あみこみたいになりたかったという憧れも大きい」と告白した。大下さんの場合は「普段は、役に似せないように意識して生活している。どこかにあみこやアオミの部分もある。それを必死に殺している部分もある」と打ち明ける。

 

本作公開後の現在、山中監督は「自身のスタンスとして、尖ってはいけない部分で尖ったり、逆に譲ってはいけない部分で譲ったり、インタビュー等で毅然とあるべき時に毅然とできなかったりしたことが最近あった」と省みた。大下さんは「最初は芝居に納得いかないところが沢山あったが、公開後、初々しさがあの時の良さだと気づいた。今は後悔していないが、これからはもっと表現できるように挑んでいきたい」と未来を見据えている。本作に対し「良いものは良いのだと様々な人に観てもらいたい。お客さんがいてこそ映画であり、もっとお客さんを増やして頑張っていきたい」と思いを込めた。山中監督は「きっとこの『あみこ』が届くべき人も関西にもいるはず。この子はあみこが必要だなと思う人が身近にいれば、ぜひ教えてあげて下さい」とお薦めし、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『あみこ』は、12月1日(土)より、大阪・十三の第七藝術劇場で公開中。また、12月8日(土)より、京都・出町柳の出町座、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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