元結合双生児ドクちゃんの半生を追ったドキュメンタリー『ドクちゃん —フジとサクラにつなぐ愛—』がいよいよ劇場公開!
©2024 Kingyo Films Pte. Ltd.
1981年に結合双生児として生まれ、分離手術と兄ベトの死を乗り越え、入退院を繰り返しながら義母を介護し、一家の大黒柱として病院で働いているドクちゃんの軌跡を辿る『ドクちゃん —フジとサクラにつなぐ愛—』が5月3日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ドクちゃん —フジとサクラにつなぐ愛—』は、ベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響で1981年に結合双生児として生まれ、1988年に分離手術に成功した後も深刻な健康問題を抱えながら平和のアンバサダーとしての使命に生きる「ドクちゃん」ことグエン・ドクさんの人生をとらえたドキュメンタリー。2024年2月に43歳を迎えたドクさんは入退院を繰り返すなかで、結婚18年目になる妻トゥエンさんと双子の子ども・フジくんとサクラちゃん、そして闘病中の義母を自宅介護しながら家族で唯一の稼ぎ手として暮らしている。ドキュメンタリー作家の川畑耕平監督が、今や“教科書の中の人”となりつつあるドクさんがたくましく生きる姿を記録。日本とベトナムの友好の絆を象徴するドクさんの人生の軌跡を、ドクさん自ら監修を手がけて本人の視点から忠実に描き出す。
©2024 Kingyo Films Pte. Ltd.
映画『ドクちゃん —フジとサクラにつなぐ愛—』は、5月3日(金)より全国の劇場で公開。関西では、5月3日(金)より大阪・難波のなんばパークスシネマ、5月10日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、5月18日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。
ベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響で結合双生児として生まれ、分離手術に成功したベトちゃんドクちゃんの存在は日本人なら誰もが知っているだろうか。ベトさんが亡くなった報道を見た覚えがあるが、その後のドクさんがどのような生活を送っているか、全く知らないな、と気づかされる。調べてみると、出身大学のグループの1つである大学に客員教授をしていることをハッと思い出した。ドクさんの経験が日本の学生にとって意義のあることが伝わってくる。ロシアのウクライナ侵攻によって、如何に平和に生活できることが大事であるか伝えるため、本作は製作された。ドクさんは結婚し、双子の子ども達もいる。だが、子ども達は、ドクさんがどのようにして生きてきたか知らなかった。改めて学ぶことで自身のアイデンティティに気づかされたのではなかろうか。それ故に、ドクさんのことを理解した上で、家族として自然に接している姿が印象深い。ベトナム戦争が終戦してから50年近くになろうとしている現在、教科書の中ではなく今も懸命に生きている姿を見せてくれる真摯なドキュメンタリー作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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