得体の知れない“何か”が村人を翻弄していく『みなに幸あれ』がいよいよ劇場公開!
©2023「みなに幸あれ」製作委員会
不幸の上に成り立つ幸せをテーマに、とある村で世界の成り立ちを疑問に思った女性が追い込まれていく様を描く『みなに幸あれ』が1月19日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『みなに幸あれ』は、「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマを下敷きに、とある村を訪れた若い女性がこの世界の特異な成り立ちに疑問を抱き、得体の知れない恐怖に対峙する姿を描いたホラー。祖父母が暮らす田舎へやって来た看護学生の“孫”は、祖父母との久々の再会を喜びながらも、祖父母や近隣住民の言動にどこか違和感を覚える。祖父母の家には“何か”がいるようだ。やがて、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が彼女に迫り…
本作では、『偶然と想像』『十二人の死にたい子どもたち』の古川琴音さんが“孫”役で主演を務め、『20歳のソウル』の松大航也さんが主人公の幼なじみ役で共演。一般公募フィルムコンペティション「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞を受賞した下津優太監督による短編をもとに、下津監督が商業映画初メガホンをとり長編映画として完成させた。日本ホラー映画界の巨匠である清水崇さんが総合プロデュースを手がけ、『ミンナのウタ』の角田ルミさんが脚本を担当している。
©2023「みなに幸あれ」製作委員会
映画『みなに幸あれ』は、1月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や岸和田のユナイテッド・シネマ岸和田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
田舎に帰って来たら、どエラいことに巻き込まれてしまう”田舎ホラー”ものではあるが、その意図や真相を理解していく程に不可解過ぎる出来事が起きており、騒然とするしかなかった。「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という考え方があることも分かる。結局、地球上で起こっていることはそういったことだ、と見せつけられ、のみ込まれてしまうのか。誰もが幸せになることは、夢見がちな子どものようにしか扱われない。誰かが犠牲になることは当たり前のこととして扱われ、犠牲となったものは最早モノ同然だった。では、その犠牲がなくなってしまったら…まさに騒然とすることが次々と繰り広げられていくしかない。冷静に考えてみれば、”幸せ”とはそういったもので良いのか!?最終的に、”幸せ”はいつまでもあり続けるものではなく、いつかはなくなってしまうもの。ずっと求め続けなければならず、実はちっぽけなものではないか、とすら思えてしまう。『みなに幸あれ』というタイトルに込められた真意を考えれば考える程に斬新でシニカルなホラー作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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