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ドラァグクイーンの孫が老いた祖母に会いに行く『ジャンプ、ダーリン』がいよいよ劇場公開!

2024年1月15日

©Big Island Productions (2645850 Ontario Inc.) ALL RIGHTS RESERVED

 

俳優からドラァグクイーンへ転身しようとする青年と祖母の生活を描く『ジャンプ、ダーリン』が1月19日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ジャンプ、ダーリン』は、カナダの田舎町で暮らす祖母とドラァグクイーンの孫の交流を描き、世界のLGBTQ+映画祭で数々の賞を受賞したヒューマンドラマ。俳優からドラァグクイーンに転身したラッセルは、大切なショーの直前に恋人から「俳優業に戻ってほしい」と告げられ、同棲している家を飛び出してしまう。無一文で行き場のないラッセルは、ずっと会っていなかった祖母マーガレットの家を訪れる。久々の再会を喜びながらも、祖母の様子がどこか違うことに気づくラッセル。一方、マーガレットは自分の衰えを自覚しながらも、娘エネに勧められた老人ホームへの入居を拒み続けていた。ラッセルは祖母のためにも、しばらく一緒に暮らすことにする。

 

本作では、舞台やテレビドラマを中心に活動してきたトーマス・デュプレシがラッセル役で長編映画初出演にして主演を務め、『ラスト・ショー』等の名優クロリス・リーチマンが祖母マーガレットを好演。これが長編初監督のフィル・コンネルが脚本も手がけ、自身の祖母との会話や、自身が表現者として生きる選択をした経験をもとに描き出す。

 

©Big Island Productions (2645850 Ontario Inc.) ALL RIGHTS RESERVED

 

映画『ジャンプ、ダーリン』は、1月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、1月20日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。また、神戸・新開地のCinema KOBEでも順次公開。

近年、多様性を題材にした映画が多く製作されてきた中では珍しくなってしまった、ドラァグクイーンを主人公にした本作。纏った衣装の裾を引き摺る (drag) ことから呼ばれる女装で行うパフォーマンスを行う男性のことを指すが、今作では十分に魅力的に描いている。衣装とメイクに合わせた選曲もしっかりと意識しており、フロアを如何にして盛り上げるか、熟知しているかのように思える。そんな華やかな姿を見せるだけでなく、住まわせてもらっている家に帰れば、お世話になっている祖母の変化に驚きながらも、真摯にお世話をしている姿には好感を抱いてしまう。ドラァグクイーンである前に一人の人間として、家族が抱える問題に対峙している姿を映し出していく中で、本作が訴求するテーマが伝わってくる。最終的に、主人公は家族とショービジネスを天秤にかけ、どちらかを選ばざるを得ない。家族でしか存在しない逃げられない関係性を描きながらも、じんわりと心が温まる作品として世界で評価されたことが実に喜ばしい限りだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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