Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

春画の魅力に迫るドキュメンタリー『春の画 SHUNGA』がいよいよ劇場公開!

2023年11月21日

©2023『春の画 SHUNGA』製作委員会

 

江戸時代に著名な浮世絵師たちが手がけるも、明治以降卑猥画として取り締まられ、日本文化から姿を消した春画を紐解く『春の画 SHUNGA』が11月24日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『春の画 SHUNGA』は、江戸時代に隆盛を極め、明治時代に禁じられた「春画」の美の世界に迫るドキュメンタリー。葛飾北斎、喜多川歌麿ら名だたる浮世絵師たちが情熱を注いだことで知られる春画。絵師・彫師・摺師の才能と高度な技術によって数多くの名作が生み出されたが、明治時代になると「猥褻画」として警察の取り締まり対象となり、日本文化から姿を消した。そして近年になってようやく、出版物や展覧会を通してアートとしての再評価の機運が高まっている。ディレクターとして数々のドキュメンタリー番組を手がけてきた平田潤子監督が、北海道から九州、海外にまで足を運んで美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、画家に取材。バラエティ豊かな傑作の数々を美しい映像で映し出し、エロティシズムだけにとどまらない多彩な表現内容や技巧、創造性に富んだ春画の魅力に迫る。さらに春画をアニメ化し、江戸時代の人々が親しんだその世界をいきいきと描く。アニメパートでは俳優の森山未來さんと吉田羊さんが声の出演を務めた。

 

©2023『春の画 SHUNGA』製作委員会

 

映画『春の画 SHUNGA』は、11月24日(金)より全国の劇場で公開。関西では、11月24日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都や奈良・橿原のユナイテッド・シネマ橿原、12月1日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、12月15日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋で公開。

2016年に京都の細見美術館で『春画展』が開催された時には気になっていた「春画」。東京では2015年に開催されており、その開催までの道のりは『春画と日本人』というドキュメンタリーが製作されている。先月には、映画『春画先生』が公開されたが、本作で改めて専門的な視点から春画のおもしろさを伝えてくれた。映像や映画がなかった江戸時代においては、性風俗を表現したものが春画である。浮世絵の一種であるが、繊細な線や色の表現があり、名立たる浮世絵画家が手掛けていたことも納得だ。

 

江戸の文化の中で長い歴史をへて現在に至るまで残されてきた春画。現在では、アーカイブ作業や復刻プロジェクトも動き出している。緻密な表現方法の裏側を慮ると、浮世絵作家の注力度も伺えた。「笑い絵」と称され、人体表現としては矛盾があり滑稽な表現もあるが、実は、おめでたい力の象徴でもあることを明かされると、究極的な人間関係の象徴でもあるように捉えられる。となれば、日本以外でも注目している方が存在しており、かつては価値のないものとして扱われていても、意義や意味を見出し、研究対象になっていることも興味深い。

 

なお、現代の日本映画に準えてみると、日活ロマンポルノやピンク映画のようにも捉えられた。一定のルールを守れば、あとはどんなジャンルの作品あっても良く、監督が表現したいものを自由に作っていたことを考えると、通ずるモノがあるのではないか…と一考してみる。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts