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東日本大震災から10年目の宮城・仙台で起きた不可解な連続殺人事件の裏に隠された真実を描く『護られなかった者たちへ』がいよいよ劇場公開!

2021年9月28日

(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会

 

東日本大震災から9年後の宮城県を舞台に、凄惨な連続殺人事件の容疑者と彼を追い詰める刑事の姿を映し出す『護られなかった者たちへ』が10月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『護られなかった者たちへ』は、東日本大震災から時を経た宮城県仙台市を舞台に、貧困や格差の問題を描く社会派ミステリー。東日本大震災から9年後、宮城県内の都市部で全身を縛られたまま放置され餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生した。被害者はいずれも善人、人格者と言われていた男たちだった。宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎は、2つの事件からある共通項を見つけ出す。そんな中、利根泰久が容疑者として捜査線上に浮かび上がる。利根は知人を助けるために放火、傷害事件を起こしたて服役し、刑期を終えて出所したばかりの元模範囚だった。犯人としての決定的な確証がつかめない中、第3の事件が起こってしまう。

 

本作は、ベストセラー作家の中山七里さんによるミステリー小説を『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の主演である佐藤健さんと瀬々敬久監督のコンビ、阿部寛さんの共演で映画化。佐藤さんが容疑者の利根役、阿部さんが利根を追う刑事である笘篠役を演じるほか、清原果耶さん、倍賞美津子さん、吉岡秀隆さん、林遣都さんらが脇を固める。

 

(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会

 

映画『護られなかった者たちへ』は、10月1日(金)より全国の劇場で公開。

連続殺人事件をベースに、重厚な人間ドラマが展開されていく。何も接点がないように思えた登場人物達が、実は複雑に絡み合っており、バラバラだった点が徐々に繋がっていくアハ体験的な閃き要素も楽しめる。単純なミステリーだけには留まらず、社会派な作品としても意味を成し、震災から10年が経った今でも、被害の爪痕は残っていることが作品内のあらゆる要素から伝わってきた。

 

津波や地震による直接的な被害だけではなく、二次的な被害によって生み出される心の消失や、焦燥、各々の持つ正しいと信じてやまない行動の先に生まれる歪み。劇中に描かれる悲惨な事件は、もっと周りに頼れば解決していたかもしれない、だが、震災後に周囲から漂う独特な疲弊感のようなものが、作中ずっと陰鬱な空気を作り出していたのが印象深い。震災が全てを奪い、他人との壁を厚くし、お互いに歩み寄る隙を与えなかった。厭世的になってしまいそうな状況でも、繋がることができた他人同士である利根と幹ちゃんとけいさん、3人の絆が辿り着く先は、あまりにも儚く、震災の重さを物語る。

fromねむひら

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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