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”敷島浩一”という人間がゴジラと出会い立ち向かっていく姿を表現したかった…『ゴジラ-1.0』神木隆之介さん迎え舞台挨拶開催!

2023年11月5日

太平洋戦争で焦土と化した日本で、人々が懸命に生きていこうとする中、突然現れた謎の巨大怪獣が復興途中の街を容赦なく破壊していく『ゴジラ-1.0』が全国の劇場で公開中。11月5日(日)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に神木隆之介さんを迎え、大ヒット御礼舞台挨拶が開催された。

 

映画『ゴジラ-1.0』は、日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズをはじめ『永遠の0』『寄生獣』など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴さんが監督・脚本・VFXを手がけた。タイトルの「−1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木隆之介さん、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺美波さんが演じる。そのほか山田裕貴さん、青木崇高さん、吉岡秀隆さん、安藤サクラさん、 佐々木蔵之介さんと実力派豪華キャストが共演。

 

今回、上映後に神木隆之介さんが登壇。本作の企画・プロデュースを務めた岸田一晃さんによる司会の下、情報統制が解禁された開放感の下でたっぷりと話す神木さんの姿を垣間見れた舞台挨拶となった。

 

観客席の中には、今回で3回目の鑑賞であることを主張するプレートを掲げた方がおり、神木さんも「3回目!嬉しい!3回ですよ!3日目ですよ!1日1ゴジラみたいな」と話し、嬉しそうだ。劇場公開から3日が経ち「公開までは不安で…『ゴジラ』という大きな作品ですし。長きにわたって皆さんに愛されている作品に携わる…その主役をやらせてもらったということが、僕にとって凄くプレッシャーであり…公開日が近づくにつれて増していき、公開日の前日は寝れなくて…でも当日の皆様の顔、お客さん達の熱量に安心したんですけど、今でもちょっとは不安ですけども…」と本音を話しながらも「映画が終わった後、皆様が拍手を送って下さっているのを聞いて、めちゃくちゃ安心しました」と肩を撫で下ろしていた。なお、神木さんの俳優友達からでは、初日に大東駿介さんから「無茶苦茶良かった」と感想をもらったり、ムロツヨシさんから「これから観にいくよ」や観た後に「本当におもしろかった、本当に素敵な作品だった」という反応をもらい「僕の中では、ちょっとずつ不安が溶かされていっている」と安堵している。なお、山崎貴監督はずっとエゴサーチしているようで「初日、『おなか痛い』って言ってました。ちょっと前にプレミア公開があり、ネタバレ注意しながらの感想ですけど、ずっ~とエゴサしてたみたいで。寝ないでずっとエゴサして、気づいたら出発時間を過ぎてて遅刻しそうだった、と初日舞台挨拶で言ってました。監督にとって嬉しい意見で”あぁ、良かった”となり、辛辣な意見で”あぁ…となる”と言っていましたね」と明かした。故に歴代の「ゴジラ」シリーズついて「謎が多く考察の余地があるからこそ、人それぞれの見方や価値観、考え方や思想があるからこそ、長年愛されている。今でも今後も紡がれていく作品なんだろな」と受けとめている。

 

劇場公開前には情報統制がされており、山田裕貴さんは、取材で”水島という情報しか話すことが出来ず、”船で海に出た”といったレベルまで制限されており「海での戦いも具体的には言えない…”何を喋ったらいいんですか、僕ら…”というような情報統制があり…」と大変だったようだ。また、浜辺美波さんは、”明子”に関することも話せず「なんで明子を言っちゃいけなかったのか未だに分からないですよね」と伺っている。本作が公開された現在において「典子にとって、明子っていう存在が物語を大きく左右する存在なので、それを喋れないなら、どうやって話そうか」と意図が分かりながら、取材等では大変だったようだ。

 

撮影秘話について聞かれ、典子が銀座で働いている時に敷島が明子と遊んでいる時に空襲警報が鳴り響くシーンを取り上げ「直前まで、明子さんが御機嫌斜めでした。頑張って時間をかけて一緒に遊んで、やっと笑うようになった。スタッフさんも助監督さんも無茶苦茶手伝ってくれた。そこから、助監督さんが下がっていって、”じゃあ、いきまぁ~す”と。小さく、ハイッ…と急に声がかかる。それを聞いて、僕はとっさに『空襲だ!』って芝居をしていますから。無茶苦茶大変でしたよ」とエピソードを披露。「急に危機感があってスイッチが変わる。普段の撮影では、滅茶苦茶でかい声で”ハイッ!”とか、物音立ててくれる。物音が立った、という緊張感がある。音は流れを変える効果があるので、驚きを利用しつつ切り替えられる。(小さな音で)ハイッ…って無茶苦茶難しかったですね」と苦笑いしながらも「監督が上手く現場をまわしてくれましたし、助監督が手伝ってくれたので、結晶だと思います」と讃えた。

 

 

海に出ているシーンに関しては、VFXだと思われることがあるようで「VFXは銀座の街も凄かった。ゴジラが海から出てきた時の水飛沫も無茶苦茶リアルでした。現場には勿論(ゴジラは)いません。グリーンバックの中で想定しながら対応していたんですけども、完成された作品は凄かった」と実感しながらも「凄かったからこそ、僕らが海に出たのもスタジオで撮って波は全部VFXなんじゃないか、と一部の界隈では言われているんですけど、実際に10日間浜松に行って本当に海と戦って命からがら撮ってきました」と実感を込めて話す。船がゴジラに追われるシーンは、ゴジラだと想定した船を見立てて、それに対してトップスピードで航海しながら撮影しており「トップスピードで走っている船の縁から海に足が半分出ている状態で、僕等は機雷を落とさなきゃいけない。滅茶苦茶怖かった。でも、監督達から『どうか落ちないで下さい』『でも捕まるところがないんですよね』と言いながら、お互いにフラットになったら直ぐに掴んで支え合うような形でやっていました」と明かした。また、新生丸は撮影用に改造した木造船を作っており「新生丸は、元からボロいんですよ。監督曰く、色々積んだので上に高いんです。高い=波に揺れると振り幅が凄くなるんです。ということは、転覆する可能性が凄く高くなるんです。波が高いからカメラも構えられない。待機しながら掴まっている指に波が来ていましたから、転覆するんじゃないかな。大丈夫かな。俺ら生きて帰ってこれるのだろうか」と不安になりながら、撮影に挑んでいたようだ。とはいえ、安全に配慮した撮影が行われていることは岸田さんから伝えられた。

 

そして、お客様からの質問に応えていくティーチインを実施。銀座で黒い雨が降った時の叫びについて尋ねられ「監督からは、特に詳細な指示は無かった。何も無くなってしまった街を見た時の立ち位置だけ。跪くのをリハーサルで僕自身がやったので、しばらくしたら絶望やら憎しみやら怒りやら悲しさやらを含めた感じで、あっちにゴジラがいるのであっちに向いて下さい、と言われる指示をされる。後は、僕はリハーサルで自分で作ったようにやったんです」と振り返り「難しかったといえば難しかった。一瞬にして当たり前にあったものが全部なくなる、って僕は経験したことがなかったので、どういう風になるんだろうな。僕は最大限に想像した限りですけど、本当に”現実か!?”というところから始まるので、徐々に全部なくなったという実感が湧いてきて、憎しみ・怒り・絶望・悲しみ以上の言葉に出来ない入り交じった感情を”アイツがやったんだ”というような目で見ていたんです。叫び声は、怒りと悲しみと…ゴジラはこっちにいるけど、自分がゴジラになったかのような叫び声が出来たらいいな。ただの叫びじゃなく、ゴジラが怒りの感情を持ったら、どうやって叫ぶんだろうな、と叫びながらやってました」と説明。なお、実際に”黒い雨”を降らせて真っ黒になっており「5月19日に撮っている。僕の誕生日だったんですけど、黒いまんまお祝いしてもらいました」と明かした。

 

また、過去のゴジラ映画を観てプレッシャーがあったか、と問われ「資料を全部頂いて、一作目から、ゴジラが単体で登場する作品をいくつか見させて頂いた。でも、観た結果、何かを参考にしたことは無かった。各作品の中でのゴジラの在り方は各作品毎に違いました。登場人物にも生い立ちがあり価値観があり、その人達がゴジラにどう立ち向かうか。今回は、敷島浩一という人間がゴジラと出会ってどういう立ち向かい方をするのか、過去の作品を参考にするのは違うのかな、と思いながらやっていたので、今回は、僕は、何かの続きでもなくて、一人の”敷島浩一”という人間がゴジラと出会った場合、こういう風に立ち向かう、と表現したかった」と応えていく。とはいえ「都市伝説のような魅力もあるので、ここまで長年愛されてきたんだな」と改めて実感している。

 

さらに、神木さんは、岸田さんに対し、『シン・ゴジラ』から7年を経て本作を至るまでの経緯を聞くことに。岸田さんは「無茶苦茶プレッシャーがありました。社内外から『出来るのか!?』『おもしろいもの作れるのか!?』という意見が一番ありました。様々な人に言われました」と告白。だが、岸田さんは、山崎監督の『アルキメデスの大戦』に携わっており、上司から「ゴジラ」作品の提案があり監督と打ち合わせし「戦後にゴジラが…」という案を受け、確信。「これは、今までにない設定だったからです。山崎貴監督なら、そこで魅力的にゴジラを描ける!と思ったので『これは監督がやりましょう』と言った。そこから、ずっと、本打ち合わせです」と山崎監督に決めた理由を説く。これを受け、神木さんは「さすが世界のタカシヤマザキ。なにかつぶやく時は#世界のタカシヤマザキ」と絶賛した。

 

映画『ゴジラ-1.0』が全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマや T・ジョイ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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