カリスマインフルエンサーを主人公に、SNS社会の光と影を描く新感覚ノワール『#ミトヤマネ』がいよいよ劇場公開！
©2023「#ミトヤマネ」製作委員会
カリスマインフルエンサーの女性が、所属事務所に持ちかけられたとあるアプリとのコラボをきっかけに、SNSの闇を知る『#ミトヤマネ』が８月２５日（金）より全国の劇場で公開される。
映画『#ミトヤマネ』は、インフルエンサーの女性を主人公に、ネット社会の光と闇を独自のセンスで描いたスリラー。毎日さまざまなSNS投稿をしながら暮らすカリスマインフルエンサーの「ミトヤマネ」こと山根ミト。妹のミホは、そんな彼女を陰で支えていた。ある日ミトは、所属するインフルエンサー事務所のマネージャーから、誰でもミトの顔になれるフィルター「ディープフェイクアプリ」のコラボ案件を持ちかけられる。アプリは人気を集めミトの顔は世界中に拡散されるが、その一方で彼女の顔を悪用する者も現れる。そんな状況でさえも自身の人気につながると喜ぶミトと、姉を心配するミホだったが…
本作では、玉城ティナさんがミト役で主演を務め、『子供はわかってあげない』の湯川ひなさんが妹ミホ、『HiGH＆LOW』シリーズの稲葉友さんがマネージャーを演じる。『VIDEOPHOBIA』『PLASTIC』の宮崎大祐さんが監督・脚本を手がけた。
©2023「#ミトヤマネ」製作委員会
映画『#ミトヤマネ』は、８月２５日（金）より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のＴＯＨＯシネマズ梅田や難波のＴＯＨＯシネマズなんば、京都・二条のＴＯＨＯシネマズ二条、兵庫・西宮のＴＯＨＯシネマズ西宮ＯＳ等で公開
宮崎大祐監督といえば国境やアイデンティティ、自己と他者といった境界を超えていく、あるいは境界そのものが曖昧になる作品が多い。『#ミトヤマネ』もまた、境界を巡る作品のひとつに位置付けられるだろう。今作に用意された境界は現実社会とソーシャルメディアの世界だ。
主人公のミトはSNS上で大人気のインフルエンサー。妹のミホとマネージャーに支えられながら日々の生活などを発信している。ファンにとって彼女は決して遠い向こうの存在ではなく、身近でリアルに感じられることが人気の理由なのだとか。しかし、誰でもミトの顔になることができるアプリとコラボしたことで、制御不能な事態へと膨れ上がる。ものすごい勢いでバズったのはいいものの、彼女の顔を使用してフェイクポルノや暴力活動に悪用されてしまう。
そして、物語はあらゆる境界が曖昧になっていく。何が正しくて、何が正しくないのか。何がリアルで、何がリアルじゃないのか。ミトのアイデンティティも曖昧になり、確かだと思っていたものや常識すらよく分からなくなっていく。知らない間に認識が分からなくなっていく様はとてもニューロティック。しかし、決して絵空事ではない。私たちもまた、劇中のような混迷する世界の中で生きているはずだ。現実の映し鏡として今作のカオスを体感し、ぜひ思考を巡らせてみてほしい。
Related Posts
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします！
