ゲイの青年が暴力と憎悪に立ち向かう『インスペクション ここで生きる』がいよいよ劇場公開!
©2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.
ゲイであることを理由に母に捨てられた男性が、生きるために海兵隊に志願する『インスペクション ここで生きる』が8月4日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『インスペクション ここで生きる』…
イラク戦争が長期化していた2005年のアメリカ。ゲイの青年エリス・フレンチは母に見捨てられ、16歳から10年間にわたってホームレスとして生きてきた。自身の存在意義を求めて海兵隊に志願入隊したものの、教官から強烈なしごきを受け、さらにゲイであることが周囲に知れ渡ると激しい差別にさらされてしまう。何度も心が折れそうになりながらも、暴力と憎悪に毅然と立ち向かうフレンチ。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の姿勢は、周囲の人々の意識を徐々に変化させていく。
本作では、ゲイであることから母に捨てられ海兵隊に入隊した青年が自らのアイデンティティを貫こうとする姿を、本作が長編デビューとなるエレガンス・ブラットン監督が自身の半生をもとに描いた。歌手としても活動する俳優ジェレミー・ポープが主演を務め、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。
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映画『インスペクション ここで生きる』は、8月4日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・三宮のkino cinema 神戸国際で公開。
ゲイであることから母親に捨てられ、ホームレスとなり、外で出会った仲間といつまでも過ごすことが出来なかったエリス・フレンチは、最終的に海兵隊に志願するしかなかった。自らのアイデンティティを確立し社会に認められるためには、誰かにとっての国の英雄になるしかない。すがるような思いが冒頭からずっしりと伝わってくる。だが、現実は、当たり前のことかもしれないが、想像以上に過酷で虐げられることばかりだ。気の緩みが一瞬だけであったとしても、隠していたことは直ぐにバレて、差別を受けざるを得ない。だが、困難を乗り越えた先にある希望を信じて、社会の壁にぶつかっていくフレンチは勇ましく逞しかった。一方で、海兵隊の教官内においても様々な関係性があり、たとえ分かり合えなくとも、同じゴールに向かう姿勢があることも伝わってくる。ならば、相互理解が出来る現場の一つとして海兵隊の訓練があるように感じられた。エレガンス・ブラットン監督が自らの半生を基に描いており、海兵隊を経て映画監督になっていったプロセスを十分に想像できる他に類を見ない作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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