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一流オペラ教師と美声ラッパーによる快進撃を描く『テノール! 人生はハーモニー』がいよいよ劇場公開!

2023年6月7日

©2021 FIRSTEP – DARKA MOVIES – STUDIOCANAL – C8 FILMS

 

ラップ好きのフリーターの青年と、彼の才能に気づいたオペラ教師を描く『テノール! 人生はハーモニー』が6月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『テノール! 人生はハーモニー』は、パリ・オペラ座を舞台に、類まれな美声を持つラッパーと一流オペラ教師の運命的な出会いを描いたヒューマンドラマ。寿司の配達のためオペラ座ガルニエ宮を訪れたラップ好きのフリーター青年アントワーヌ。ふとしたことからオペラの歌真似をした彼は、偶然その場に居あわせた一流オペラ教師マリーに才能を見込まれてスカウトされる。自分とは住む世界が違うと考えながらもマリーと2人で秘密のレッスンを始めたアントワーヌは、次第にオペラに熱中していくが…

 

本作では、音楽オーディション番組「THE VOICE」で注目されたビートボクサーのMB14が主演を務め、自らオペラ歌唱にも挑戦。『100歳の少年と12通の手紙』のミシェル・ラロックがオペラ教師マリーを演じ、世界的テノール歌手ロベルト・アラーニャが本人役で出演している。

 

©2021 FIRSTEP – DARKA MOVIES – STUDIOCANAL – C8 FILMS

 

映画『テノール! 人生はハーモニー』は、6月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

観終わった直後の感想は「お兄ちゃん最高か!」。ちょっと暑苦しいけど、大好きだぜアニキ!と笑顔になってしまった。

 

フランスには移民が多く、多数の人種の人々が暮らしている。また、貧困層の割合が大きいことも長年の問題であり、そんな事情をバックグラウンドとして、フランス映画で描かれることの多いテーマが人種差別や経済的な格差の問題だ。そして、それらを題材としながらも、かつ映画として楽しんで観られる作品が近年特に次々と生み出されている印象がある。本作でも、生活水準の格差や、行き届かない教育環境、若者たちの就職難や貧困に根差す暴力など、多様な主題を様々な見せ場として盛り込んだ社会派の物語として組み上げながら、あくまでも音楽を前面に押し出したスタイリッシュなエンタテイメントとして楽しめる青春映画だ。

 

物語を牽引しているのは、間違いなく主人公アントワーヌの光る魅力。バイト暮らしのストリート系の若者には実は類まれな才能があって…という王道の設定の中で、実際にものすごい声量で、ケンカ腰なほど力強く高らかに発声するシーンなど、この一種のシンデレラストーリーを成し遂げる主人公のキャラクター像に説得力を与えている。この作品のもう一つの主人公である、パリ・オペラ座のビジュアルも見どころ。観光客なら一度は前を通る、その外観だけでも十分に美しく眼福だが、さらに通常は一般人が決して入ることのできない内部の部屋が見られるという、とても貴重な体験だ。よくも、ここまで大胆なロケをして撮影できたものだと感心しながら観ていたが、これも何年もかけて交渉した成果だと聞いて納得した。オペラの楽曲に関する素養など、予備知識が一切ない状態での鑑賞だったが、知らないなりに曲名や作曲家の名前がなにやら凄いことは分かる内容になっているので、観賞にあたってのハードルは一切ない。まっすぐな物語が観る者の心に気持ち良く響く、爽快な作品だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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