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乱射事件をきっかけに夜市で交錯した6人の運命が描かれていく『ガッデム 阿修羅』ロウ・イーアン監督と山口健人監督による対談公開!

2023年6月6日

ジャーナリストのフー・ムーチンの無差別殺人に関するレポートを基に、乱射事件をきっかけとして交錯する6人の運命を描きだす『ガッデム 阿修羅』が6月9日(金)より全国の劇場で公開される。今回、本作を手掛けたロウ・イーアン監督と『生きててごめんなさい』の山口健人監督による対談が行われた。

 

映画『ガッデム 阿修羅』は、無差別殺傷事件をめぐって交錯する6人の運命を、実在の事件をモチーフに描いた台湾発の社会派サスペンス。18歳の青年ジャン・ウェンが、夜市で銃乱射事件を起こした。その動機について周囲の誰も見当がつかない中、親友アーシンは彼に殺意がなかったことを証明しようとする。事件の犠牲者シャオセンはあるゲームの人気プレーヤーとして活躍していたが、実生活では平凡な公務員だった。その婚約者ビータは仕事に追われ、2人の間にはすれ違いが生じていた。不良少女リンリンはゲームのためにシャオセンを誘惑して協力を得ていた。事件現場に偶然居合わせた記者メイ・ジュンズは、真相を突き止めるべく調査を開始するが…
『先に愛した人』のホァン・シェンチョウが主人公ジャン・ウェン、『親愛なる君へ』のモー・ズーイーが記者を演じた。

 

☆お二人が映画の道、映画監督としての道を進もうとご決断されたのはどのようなタイミングだったのでしょうか?

ロウ監督:

初めから映画監督になろうと思っていたわけではないです。大学卒業後、クラスメイトで映画制作をしたいという人がいたので、スタッフとして手伝っていました。そして数年たって、他に出来ることがないかと思い、色々なスタッフをやってみたりと長い時間をかけて試行錯誤し、ある時脚本を書いてみたんです。それがきっかけで映画を作り始めました。

山口監督:

僕は、小さいころから映画が好きだったので、いつか映画を作りたいなとずっと思って生きてきました。なので、決断というか、好きだったのでそのままという感じですね。

 

☆では、ご家族も映画がお好きだったりしたのでしょうか?

山口監督:

全然です。むしろ、チャンネル争いで映画を見せてくれなかった。その執念で映画好きがどんどん強くなっていったのかも(笑)。
ロウさんは、作品のアイデアが生まれる時というか、映画を作りたい衝動に駆られるのは、どんな時ですか?

ロウ監督:

アイデアがパッと生まれるということはあまりないですね。普段生活している中で人々を観察して、段々とストーリーを溜めていく。そしてその人たちのストーリーを組み合わせて膨らませて、映画を作り出しています。

山口監督:

そうなんですね。でも、僕も同じようなことかもしれないです。アイデアが生まれる時っていうのは、普通に生きていて、「面白い人がいるな」とか、ニュースなどを見て、「こういう事があるんだ」と思った時。なんでこんなことが起こってしまったのか、あの人はどういうことを考えているのだろうみたいな疑問から生まれることが多いかなと思います。

 

☆お互いの作品をご覧になってどういったことを感じられましたか?

ロウ監督:

『生きててごめんなさい』の莉奈さんのキャラクターがとても印象的でした。自分も時々何もしたくないと思うときがあります。何もしたくないけど何かしないといけないという葛藤というか、人間のそういうところがすごくリアルで、親近感が湧きました。今私が書いているストーリーの一つに出てくる子どもも、そういうキャラクターにしています。

山口監督:

台湾にも、莉奈みたいな女の人はいるんですか?

ロウ監督:

絶対にいると思います。女性に限らず、男性も絶対いると思いますね。

山口監督:

『ガッデム阿修羅』は、現実に即しつつ、今を生きる人の姿や感情が本当にきめ細やかに描かれていて、とても素敵だと思いました。また、構成がユニークで、社会問題を描きつつも、エンターテイメントとして、観ていてとてもおもしろかったです。特に後半で、現実ではない世界、あり得たかもしれない人生が描かれている作りがなかなか勇気のいる構成で、とてもかっこいいなと思いました。

ロウ監督:

ありがとうございます(笑)。

 

☆今後どのような作品を撮っていきたいとお考えですか?

山口監督:

台湾を舞台にしたホラー(笑)。も、ありますけど(笑)。他は…やっぱり『生きててごめんなさい』のような、ある種弱い人間というものが僕はすごく好きというか描きたいなとは常に思うので。そういう、多くの人が見つけていない、この現代社会に隠れている人間の弱さとか、そういうものを持つ人々の想いみたいなものを描きたい、そういう作品を作りたいなとは、思っています。

ロウ監督:

次の作品として、ドラマシリーズですが、日本でいう『深夜食堂』のような、バーで酒を飲んだ後の人を描く作品を考えています。映画の方はまだお話しできないですが、今回の『ガッデム阿修羅』よりもっと大きいテーマで、台湾の歴史と世界の色々を描いた作品を作りたいと考えています。

山口監督:

ロウさんは、作るもののジャンルというものに、何かこだわりとかあるんでしょうか。例えば、エンターテイメントというよりアクションとか、それこそホラーやラブストーリー的なものとか、別のジャンルに興味があったりするんですか?

ロウ監督:

映画専門学校を出ていないことが関係しているのか分からないですが、ジャンルから決めることはないですかね。今まで作った作品は色々なジャンルがあるかもしれないですが、ちゃんと「こういうジャンルを撮ろう」と決めて撮ることはあまりないかもしれない。ジャンルよりストーリーから入るというか。

 

映画『ガッデム 阿修羅』は、6月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月9日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸の京都シネマ、6月10日(土)より神戸・新開地のCinema KOBEで公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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