「新世代香港映画特集2023」と題し『私のプリンス・エドワード』『縁路はるばる』がいよいよ関西の劇場でも公開!
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ウェディング業界で働く女性が、過去の偽装結婚と同棲相手との結婚の間で揺れる様を描く『私のプリンス・エドワード』と、ITオタクの内向的な男性が、都会から離れた僻地に暮らす5人の女性に会うため、香港中を旅する様を描く『縁路はるばる』を上映する「新世代香港映画特集2023」が6月2日(金)より関西の劇場でも開催される。
映画『私のプリンス・エドワード』は、香港の新鋭ノリス・ウォンが長編初メガホンをとり、アラサー女性の偽装結婚を題材に描いたドラマ。香港のプリンス・エドワード地区にあるショッピングモール・金都商場(ゴールデンプラザ)では、結婚式に必要なドレスや小物、写真撮影などを格安でそろえることができる。ウェディングショップで働くフォンは、ウェディングフォト専門店のオーナーを務める恋人エドワードからプロポーズされる。しかし彼女は10年前に中国大陸の男性と偽装結婚しており、その婚姻が現在も継続中であることが判明。フォンは偽装結婚の離婚手続きと結婚式の準備を同時に進めていく中で、自分の本当の気持ちに気づいていく。歌手としても活躍するステフィー・タンが主演を務め、テーマソングも担当した。
映画『縁路はるばる』は、5人の魅力的な女性と出会った青年が、異なる僻地に暮らす彼女たちに会いに行くため香港中をめぐる姿を軽やかに綴ったラブコメディ。IT企業に勤める28歳の内向的な青年ハウは、ある日突然、それぞれ違った魅力を持つ5人の女性と出会う。彼女たちには、都会から離れた僻地に暮らしているという奇妙な共通点があった。5人に会うため香港各地を旅することになったハウは、これまで気づかなかった香港の魅力や、まだ見ぬ自分自身を発見していく。香港を中心に俳優・監督・脚本家・プロデューサーなど多方面で活躍するカーキ・サムが主人公ハウを演じた。
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「新世代香港映画特集2023」は、関西では、6月2日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、7月29日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。シネ・リーブル梅田とアップリンク京都では、6月2日(金)より『私のプリンス・エドワード』、6月9日(金)より『縁路はるばる』を公開。元町映画館では、7月29日(土)より2作品を日替わり上映。
『私のプリンス・エドワード』
香港で生きていくために偽装結婚をする…社会派作品の要素も含まれているように受けとめてしまうが、本作は、香港で強く生きていこうとする一人の女性を凛とした姿で描いていく。目的を果たしたのならば、時が経てば偽装結婚は解消出来ていると思っていたら、現実は違っていた。本当の幸せを掴むためなら、あらゆる手段を使ってでも成し遂げたい。でも、ふと冷静になって香港で生きていく自身を想像した時、彼女が選んだ生き方は大いに尊重したい。女性の生き方を通して現在の香港を考えることが出来る、これぞ”新世代香港映画”な一作である。
『縁路はるばる』
異なる僻地に暮らす彼女たちに会いに行くため香港中を巡っていく本作。日本で作り出された映画やゲームで見覚えのある設定だが、僻地であることが大きなポイント。多様な要素によって僻地として捉えられたエリアに改めて訪れることで、香港の新たな魅力を知ることが出来る。香港に住んでいない人にとって魅力的だろうが、香港在住の方にとっても温故知新な作品となるのだろうか。主人公である内向的な青年ハウがどのようなプロセスを経て女性と出会い再会し思いを伝えていくか。彼の成長譚を通して現在の新たな香港の魅力を存分に伝えてくれる作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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