ビリー・ホリデイの最期のステージを描いた舞台作品を収録した『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson’s Bar & Grill』がいよいよ劇場公開!
(C)Evgenia Eliseeva
1959年に行われたビリー・ホリデイの最後のステージを名曲と共に描く『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson’s Bar & Grill』が3月10日(金)より全国の劇場で公開される。
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson’s Bar & Grill』…
1959年3月。その力強い歌声で多くのファンを魅了してきたビリー・ホリデイが、フィラデルフィアの小さなジャズクラブのステージに立った。わずか4ヶ月後に死を迎えることになる彼女は、観客たちの前で人生最後のパフォーマンスを繰り広げる。ジャズの歴史を彩る名曲の数々に、辛らつでユーモラスな回想を交えながら、苦悩と葛藤に満ちた彼女の生き様とその音楽的世界観を描き出す。[配給:松竹]
本作では、ニューヨーク・ブロードウェイを中心に活躍する女優オードラ・マクドナルドが伝説的ジャズシンガーのビリー・ホリデイを演じた大ヒット舞台を収録しスクリーン上映。マクドナルドは2014年に本舞台でトニー賞演劇主演女優賞を受賞し、史上最多となる6度目のトニー賞受賞を達成した。ブロードウェイの舞台を中心に数々の傑作を映画館で上映する「松竹ブロードウェイシネマ」シリーズの1作である。
(C)Evgenia Eliseeva
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson’s Bar & Grill』は、3月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際で公開。
ブラック・ライブズ・マターの影響もあるのか、日本でもビリー・ホリデイに関する映画が上映されてきた。ドキュメンタリー映画映画『BILLIE ビリー』、「奇妙な果実」によってアメリカ合衆国と対峙する『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』と興味深い作品だ。そして、本作は、ビリー・ホリデイの最後のステージをニューヨーク・ブロードウェイの舞台で再現した作品。
ビリー・ホリデイを演じたのは、ブロードウェイの大女優 であるオードラ・マクドナルド。ビリー・ホリデイならではの華やかで少し悲しげな歌声をジャジーに響かせており、驚かされた。ビリー・ホリデイが経験してきた様々な苦難を十分に理解した上で、最後のステージを如何にして披露したか再現させているように感じる。ブロードウェイでビリー・ホリデイと演じる、という類を見ない独特なステージを表現する意味を2020年代の今だからこそ理解出来てしまう。作中では、自身のストーリーをユーモアを交えて話すシーンもあり、彼女の歩んできた生き様が伝わってきた。御姿を生では観ることが今は出来ないが、オードラ・マクドナルドを通じて当時に思いを馳せることが出来る作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!