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自分と向き合い、新しいことへチャレンジする人へ背中を押してくれる!『線は、僕を描く』横浜流星さんと江口洋介さんと小泉徳宏監督を迎え公開記念イベント開催!

2022年9月18日

©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

 

アルバイト先で水墨画に出会った大学生が、声をかけられた師匠に師事し、戸惑いながらも白と黒で表現された世界に魅了されていく様を描く『線は、僕を描く』が10月21日(金)より全国の劇場で公開。9月18日(金)には、京都の立命館大学衣笠キャンパスに横浜流星さんと江口洋介さんと小泉徳宏監督を迎え、公開記念イベントが開催された。

 

映画『線は、僕を描く』は、水墨画の世界を題材にした砥上裕將さんの青春小説「線は、僕を描く」を、横浜流星さんが主演、『ちはやふる』の小泉徳宏監督のメガホンで映画化された。大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で水墨画と運命的な出会いを果たす。白と黒のみで表現された水墨画は霜介の前に色鮮やかに広がり、家族を不慮の事故で失ったことで深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変する。巨匠の篠田湖山に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。篠田湖山の孫で霜介にライバル心を抱く篠田千瑛を『』の清原果耶さん、霜介の親友である古前を『町田くんの世界』の細田佳央太さん、霜介に触発されて古前と共に水墨画サークルを立ち上げる川岸を『サマーフィルムにのって』の河合優実さんが演じ、三浦友和さん、江口洋介さん、富田靖子さんらが脇を固める。

 

今回、映画『線は、僕を描く』のロケ地となった立命館大学で公開記念イベントが行われた。京都と滋賀でのオールロケとなった本作。撮影当時の思い出や、京都・滋賀の印象について聞かれると、本作の主人公で、水墨画の世界に魅了され、その才能を開花させていく青年である青山霜介を演じた横浜流星さんは「空気が澄んでいて癒されましたし、ロケ地からパワーを頂けました。今日ここに入ってきて、『僕そこで水墨画描いてたな』と様々な記憶がよみがえってきました。本当に良い場所だった記憶があります」と撮影振りに立命館大学へ訪れた喜びをコメント。その霜介を温かく見守る、湖山(三浦友和さん)の一番弟子である西濱を演じた江口洋介さんは「最初、ロケ地を鎌倉にするという話もあったんですけど、滋賀になりました。京都で降りてレンタカーで滋賀まで1時間半。そこからまたロケ場所まで1時間ほどかけて、琵琶湖のほとりへ行きました。僕が印象に残っているのは近江商人の屋敷で撮影したんですけど、庭や建物の大きさ、そのスケールが凄くて、こういうところで昔の人たちは暮らしていたんだ、とイメージが湧きました。本当に滋賀があってのこの映画という印象ですね」と滋賀での撮影を振り返ると、本作の監督をつとめた小泉徳宏さんは「滋賀で6割くらい、京都で4割くらいの撮影をしました。京都はここ立命館大学や結婚式場で撮影させてもらいました。滋賀はロケーションとしては珍しいと思われる方も多いと思うのですが、本当に撮影しやすいんです。京都のような雰囲気も出せるし、どこでもない日本のような景色といった撮り方もできる。京都はもちろん、どこを撮っても京都の雰囲気が出る。滋賀は両方の雰囲気が出せるというのが、撮影する側としては嬉しいですね」と監督目線でのロケ地の魅力をコメント。1年前の撮影の思い出を振り返った。

©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

 

今回、イベント会場となったのは立命館大学。大学でのイベントということで、小泉監督が学生時代に映画監督を目指した理由について聞かれると「学生の時、国語の授業で学生映画を撮るという機会があったのがきっかけです。それが非常に面白くて、自分で作るというのを経験した時に『こうやって作っているのか!だったらこうしたらもっとあのドラマ・映画のようになるんじゃないかな』と工夫し始めて、そこから、もっとこうすれば…もっとこうすれば…の繰り返しで気が付いたら今になります。その途中で、大学生の時に映画監督のワークショップに参加して、そこで初めて本物の映画監督に会ったんです。『本当に(映画監督って)いるんだ!』と思った時、同時に、もしかしたら自分もなれるんじゃないか…と勘違いしたんですよね。(明確に意識したのはその時ですね」と学生時代を振り返りながら、その当時の思いを振り返った。

 

そして、本作は、悲しい過去を背負った主人公である霜介の「喪失と再生の物語」でもある。映画の中でも、三浦友和さん演じる湖山や江口洋介さん演じる西濱が、霜介や千瑛(清原果耶さん)を素敵な言葉で励ますシーンも印象的だが、霜介と同じように困難なことに立ち向かわなければいけない時、新しいことにチャレンジする時に、どのように乗り越えていくかを聞かれると、横浜さんは「まず僕らの仕事は、挑戦していかなければいけない仕事ですし、そこで立ち止まっていることの方が一番怖いので、失敗とか何があるんだろうという不安は怖いですが、それよりも立ち止まっていることが怖いので、一歩踏み出してみて、そこで失敗したら次成功すればいいし、その失敗は自分の経験にも成長にもなるので、そうやっていっぱい失敗して、進んでいけたらいいなと常に思っています。作品作りに関しては、簡単な仕事ではないですが、観てくださる方々が待っていると思うと、頑張れますよね。この作品が僕らだけのものではなくて皆に届けられると思うと、どんどん(やる気が)みなぎってくるので、辛さはないですね」と話す。江口さんは「いつの間にか時間が経って今ここにいるという感覚が正直なところです。俳優になろうと思ってすぐなれるわけではなく、テレビも出て俳優をやりながらも『俺って俳優と言えるのかな』と思う時期も10年位続きましたね。どんどん新しい役をやっていく中で、自分が変わっていき、気づいたら自分のことを俳優と言えるようになりました。かなり長い時間をかけてきたなと思います。この映画の中でも好きな台詞があって、流星くん(霜介)がある過去を抱えて影がある役なのですが、何かを見つけようとする霜介に、僕が演じる西濱が『人は何かになろうとするんじゃなくて変わっていくんだよ』という言葉をかけるんです。原作にもあるその言葉が凄く印象的でした。常に模索していくというか、過去にこだわらず前しか見ないで行くという感覚でやってきたという感じですね」とコメントした。

©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

 

さらに、俳優や監督として最初の一歩を踏み出した時に怖くなかったか、その「最初の一歩」を踏み出す時のモチベーションについて聞かれると、小泉監督は「監督になろうと決めた時は楽観的でしたね。無謀な考えでしたが、いざデビュー作の話が来た時は恐怖でしたね。それまででずっと監督になろうとして、そために色々なことをやってきたのですが、いざ決まった時はとても怖かったです。その怖さを克服するには、怖くなくなるまで練習するしかない。やれることを全部やってダメだったら仕方ない、と思えるまで頑張る。というモチベーションでやり切りました」と、映画監督になる決心をした当時の苦悩を語った。横浜さんは「自分はありがたいことにスカウトされる機会を頂いたので、最初は好奇心が強かったですね。その当時はどちらかというと空手の方をメインにしていたし、自分はいずれ格闘家になるんだと思ってました。でも高校2年生の時に戦隊もののオーディションに受かって、1年間芝居を学ぶ場を頂け、そこで芝居が楽しいなと思いました。そして高校3年生の時に大学進学するか、格闘家の道にいくか、芝居の道を選ぶか迷ったのですが、自分が一番楽しいと思えるのが芝居でした。やはり怖さはありますけど、戦隊ものが終わってからも、それこそ『ちはやふる』のオーディションを受けましたが、落とされ(笑)半年くらい仕事がなかったんですよね。あれ、楽しいと思って決心してこの仕事で生きていくぞ!と決めて、半年間仕事がなかった時は、どうしよう…と思いました。でも先程監督がおっしゃっていたように、そこに怖さがあっても自分がやるべきことをやっていこうと思い、ワークショップに通ったり、色々なインプットをしたりした結果、色々な機会を頂けて、今ここにいます。腐らなくてよかったです。あの時」と、俳優として本格的に動き出した当時の難しさや思い出を赤裸々に振り返った。江口さんは「やっぱり現場に行って仕事を頂いたのに出来ないんですよね。でもそこには、芝居が出来ている先輩がいっぱいがいる。ちょっとくらい演技の練習をしてもすぐにできないんですね。その時には時間があったので、殺陣の練習をしたり、馬に乗ったり、ダンスの練習や発生の練習をしたり…何年間かそういう練習をしてきたのですが、『やっぱり向いてないかな』と、少し俺は腐ってたのかもしれないです。(笑)ちょっと無理かななんて思う時期もあったのですが、新しい仕事を貰って演技をすると、またちょっとチャレンジしてみたいなと思わせてくれる。面白い世界なんですよね。大変なんですけど、一つ作品が出来上がると次のことに頭が動き始めて。その繰り返しで、少しずつ自分のことを勇気づけていったという感じですね。そこまでやり続けてきたから今があるという感じなんですね」とコメントした。さらに「ちょっと勘違いするのもいいですよね。いけるかもしれない!と。今はすぐにネットで凄い才能をもった人がでてくるから、それをみて諦めちゃうきがするんですが、俺たちの時は何もなかったから、それがよかったのかもしれないですね。人と比べないのは大変だと思うけど、自分がどのように時間を使っていくかを考えていくのが一番幸せかなと思っています。自分と向き合っていくと時間が大切なんだろうな、と思いますね」と集まった人々へ向けての応援メッセージとも受け取れる熱い言葉や思いを披露した。

©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

 

そして、公開を楽しみに待つファンに向け横浜さんは「僕が完成した作品を観た時は、水墨画の素晴らしさを存分に伝えられるなと思いました。自分も触れてこなかったので、水墨画の魅力ってどんなものだろうと思っていたのですが、監督の演出もあってエンターテインメントとして素晴らしいものとなりました。そして作品を観ると、まわりの人への感謝の気持ちを伝えたくなりましたし、自分と向き合うことの大切さや新しいことへチャレンジする人へ背中を押してくれるような作品になっています。是非楽しみにしていてください」とメッセージを送った。イベントの最後には、約100名の観客と共に、劇中シーンを彷彿とさせるフォトセッションを実施。本作の水墨画監修を担当した小林東雲が描いた水墨画を手に持ち、暖かい空気の中、イベントは終了した。

 

映画『線は、僕を描く』は、10月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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