亡き親友に死化粧をするため、引退したヘアメイクドレッサーが旅に出る『スワンソング』がいよいよ劇場公開!
(C)2021 Swan Song Film LLC
実在のヘアメイクドレッサーをモデルに、親友に遺言で死化粧を依頼された老ヘアメイクドレッサーの複雑な胸の内を描く『スワンソング』が、8月26日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『スワンソング』は、引退したヘアメイクドレッサーが亡き親友に最後のメイクを施すための旅を、実在の人物をモデルに描いたロードムービー。かつてヘアメイクドレッサーとして活躍した「ミスター・パット」ことパトリック・ピッツェンバーガー。ゲイとして生きてきた彼は、最愛のパートナーであるデビッドを早くにエイズで亡くし、現在は老人ホームでひっそりと暮らしている。そんなパットのもとに、思わぬ依頼が届く。それは元顧客で親友でもあったリタの遺言で、彼女に死化粧を施してほしいというものだった。リタのもとへ向かう旅の中で、すっかり忘れていた仕事への情熱や、わだかまりを残したまま他界したリタへの複雑な感情、そして自身の過去と現在についてなど、様々な思いを巡らせるパットだったが…
本作は、『バクラウ 地図から消された村』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』等の名優ウド・キアが主演を務め、主人公パットを強烈な個性で熱演し、ジェニファー・クーリッジ、マイケル・ユーリーらが共演。監督は、トッド・スティーブンスが務めた。
(C)2021 Swan Song Film LLC
映画『スワンソング』は、8月26日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
実在のヘアメイクドレッサー、「ミスター・パット」ことパトリック・ピッツェンバーガーについて、本作を以て初めて知った。紆余曲折がありながらも、他界した親友からの最期に届いたのは依頼は死化粧を施すこと。最愛のパートナーを早くにエイズで亡くし、現在は老人ホームでひっそりと暮らしているなら、お金は多くなくとも時間は十二分にある。自身にとっても最後の仕事になるのかもしれないなら、引き受ける価値は十分にあった。されど、最終目的地にはなかなか辿り着かないからこそ、ロードムービー的な仕上がりのある本作は、名優ウド・キアが演じるからこそ観客を惹き付けて離さない。彼の表情だけで十分に心境が読み取れる。素直になれないパットが如何にして前に向かっていけるのか、その境地をしっかりと悟り、本作が持つ醍醐味を大いに味わって観終えてほしい作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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