ハリウッドで活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティを中心に、配役という仕事に迫るドキュメンタリー『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)Casting By 2012
映画製作で重要な仕事のひとつでありながら、あまり知られていないキャスティングの仕事に焦点をあてたドキュメンタリー『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』が7月16日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』は、「キャスティング(配役)」の先駆者マリオン・ドハティを中心に、映画業界で最も重要な仕事のひとつでありながら、これまであまり知られることのなかったキャスティングにスポットを当てたドキュメンタリー。長年にわたってハリウッドで活躍し、キャスティングの概念を一新させたマリオン・ドハティ。絶妙なセンスと先見の明を頼りに、白人男性至上主義の根強いスタジオシステム方式から多様なアンサンブルキャストへと移行する道筋を開き、アメリカン・ニューシネマの隆盛にも大きく貢献した。ドハティ本人の映像に加え、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウッディ・アレン、クリント・イーストウッドら錚々たる顔ぶれの映画人が出演する。
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映画『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』は、7月16日(土)より大阪・十三のシアターセブン、7月29日(金)より京都・九条の京都みなみ会館で公開。
映画のキャスティングという仕事において、「キャスティング担当」ではなく「キャスティング・ディレクター」として活躍したマリオン・ドハティ。「ディレクター」という名称が付けられており、映画監督によって賛否両論があったことを本作で伝えられる。あくまで、キャスティングは私自身が担ったという映画監督がいれば、キャスティング・ディレクターに感謝している映画監督が十分に存在していることも本作は伝えていた。こういったキャラクターならこの俳優をキャスティングしたい、という定石があるとするならば、実は、こういった俳優をキャスティングすることで、こんな演技表現が出来て作品の質が格段に上がる、といった本当に最適なキャスティングを出来るのが、キャスティング・ディレクターの仕事だ。この仕事は、映画監督だけでなく、映画製作会社にとっても重宝されるべき仕事である。だが、世の中に広く知られることもなく、アカデミー賞で部門が存在する訳でもない。まさに縁の下の力持ちとして隠れた存在であるが、欠かせない仕事である。日本の商業映画においても、全ての映画監督が俳優を広く知っている訳でもなく、キャスティングについて貢献しているスタッフの方が存在していることは、監督へのインタビューをしながら感じていた。多様性が求められる現在において、キャスティング・ディレクターの仕事が再び適切に評価されることを願ってやまない。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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