人生の方向性が定まらない女性が、歳上の恋人がいるにもかかわらず、若く魅力的な男性と出会い新たな恋に落ちる姿が描く『わたしは最悪。』がいよいよ劇場公開!
(C)2021 OSLO PICTURES – MK PRODUCTIONS – FILM I VAST – SNOWGLOBE – B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA
30歳の節目を迎えるも、人生の方向性の決まらない主人公が、あるパーティーに紛れ込み、若く魅力的な男性に出会い恋に落ちていく様を描く『わたしは最悪。』が7月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『わたしは最悪。』…
30歳という節目を迎えたユリヤ。これまでもいくつもの才能を無駄にしてきた彼女は、いまだ人生の方向性が定まらずにいた。年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、最近しきりに身を固めたがっている。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、そこで若く魅力的なアイヴィンに出会う。ほどなくしてアクセルと別れ、新しい恋愛に身をゆだねたユリヤは、そこに人生の新たな展望を見いだそうとするが…
本作は、『母の残像』『テルマ』などで注目されるデンマークのヨアキム・トリアー監督が手がけ、2021年の第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女優賞を受賞、2022年の第94回アカデミー賞では国際長編映画賞と脚本賞の2部門にノミネートされた。トリアー監督の『オスロ、8月31日』等に出演してきたレナーテ・レインスベがユリヤ役を演じている。
(C)2021 OSLO PICTURES – MK PRODUCTIONS – FILM I VAST – SNOWGLOBE – B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA
映画『わたしは最悪。』は、7月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
鬼才と呼ばれるラース・フォン・トリアー監督の甥であるヨアキム・トリアー監督。日本ではサスペンスフルな作品やホラーといったジャンルの作品がロードショー公開されており、叔父の血を受け継ぐ方かと思っていたら、本作では、一風変わった恋愛映画を描いており、驚かされた。章立てされた構成となっており、不意を打つかのごとく、突然に次の章が提示されるので、一体どんな話になっていくのか、と気になってしまい、次第に主人公ユリヤの意図が明かされていく。ユリヤが20代半ばから30代初めにかけての数年間を本作は描いており、章立てにすることで本を読んでいるような気分になっていった。どのように人生を歩んでいけばいいか分からない中で大人にならざるを得ない状況下、自立した一人の女性になっていく姿を描いていた。ある種ポエトリカルな映像を作り込みをしており、理想の未来とシビアな現実の間にいることを象徴的に表現している。儚さが残る刹那さと、まだまだ存在している希望に向かって走り出す女性を真摯に描いていた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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