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自らの手で育てられない赤ん坊を匿名で預けられる“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った人々の旅路を描く『ベイビー・ブローカー』がいよいよ劇場公開!

2022年6月21日

(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

 

“赤ちゃんポスト”から赤子を盗んだ男たちが、ひょんなことから赤子の実母と共に養父母探しの旅に出る姿を描く『ベイビー・ブローカー』が6月24日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ベイビー・ブローカー』は、子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が織り成す物語を、オリジナル脚本で描く。古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンとイは、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが…

 

本作は、『万引き家族』の是枝裕和監督が、『パラサイト 半地下の家族』の名優ソン・ガンホを主演に初めて手がけた韓国映画。ソン・ガンホのほか、『義兄弟 SECRET REUNION』でもソンと共演したカン・ドンウォン、2009年に是枝監督の『空気人形』に主演したペ・ドゥナ、“IU”の名でアーティスト活動をしているイ・ジウンら韓国の実力派キャストが集結。2022年の第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

 

(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

 

映画『ベイビー・ブローカー』は、6月24日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんばなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都や烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出る、ロードムービーのようにも感じた。疑似家族のようでもあり、是枝監督の『そして父になる』や『万引き家族』に近いテイストの作品でもある。だが、本作は韓国映画である。

 

日本の場合、「赤ちゃんポスト」は、熊本県の慈恵病院が設置し、つい先日は、こどもSOS北海道の公認心理士が設置した。医療関係者によるものだ。韓国の場合、教会が設置している。共通しているのは、あくまで民間による運営だ。故にベイビー・ボックスを利用しようとしている物語が出来上がった。だが、ソン・ガンホが出演していることで可笑しがあり、シリアスなことが起きているにもかかわらず、コメディを観ている、と錯覚してしまう。

 

あくまで、是枝監督による韓国映画だが、韓国映画では観ないようなシーンがあった。日本映画を観ているかのように感じる情緒的な会話のシーンを時折見せられていく。特に、クライマックスで起こる出来事の前夜に交わされた穏やかな会話のやり取りが印象的だった。韓国映画といえど、是枝監督らしさあふれる”家族”の映画を堪能できる作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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