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故ロジャー・ミッシェル監督が手がけ、イギリス女王であるエリザベス2世の素顔を映す『エリザベス 女王陛下の微笑み』がいよいよ劇場公開!

2022年6月14日

(C)Elizabeth Productions Limited 2021

 

2022年2月6日に在位70周年を迎えた英国君主、エリザベス2世の95年間の歩みに迫るドキュメンタリー『エリザベス 女王陛下の微笑み』が6月17日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』は、2022年に96歳を迎え、在位70周年となったイギリス君主エリザベス2世の初の長編ドキュメンタリー。2021年9月に急逝した『ノッティングヒルの恋人』等で知られるロジャー・ミッシェル監督が、新型コロナウイルスの感染拡大で次回作の撮影機会が奪われた際に、女王陛下のドキュメンタリー企画が始動。1930年代から2020年代までのアーカイブ映像からエリザベス2世の足跡をたどり、これまでにあまり見られることのなかった女王の素顔にも迫っていく。ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンローといったスターのほか、歴代政治家やセレブなど、そうそうたる人物も数多く登場する。

 

(C)Elizabeth Productions Limited 2021

 

映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』は、6月17日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

少しくらい時事や歴史に疎くても、このお方のお顔を知らない方はまずいないだろう。エリザベス・アレクサンドラ・メアリー・オブ・ウィンザー、今年で世界最長の在位70周年を迎えたエリザベス女王陛下の、長きにわたる足取りとともに、若くして即位した女王として、そして妻、母親、祖母として、20世紀中盤からと21世紀の現在に至るまでを歩み続けてきた彼女の様々な表情を見ることが出来る見ごたえのあるドキュメンタリーだ。

 

つい先日、6月2日からイギリスで大々的に開催されたプラチナ・ジュビリーは、日本でも大きく報道されたように、盛大なセレモニーと関連イベントで盛り上がっていた。国民の、特に若い世代からの王室離れも統計として報じられているが、やはり圧倒的な注目度と人気である。そもそも、「プラチナ」という域まで到達したということ。在位25周年を祝うのがシルバー・ジュビリー、50周年はゴールデン・ジュビリーだが、50年ですら稀であり最高位として「金」として呼称されているのに、その上を達成したならば、プラチナ!だ。それほどまでに、他の古今東西の皇室には類を見ない。

 

ドキュメンタリーのまとめ方は非常に丁寧かつ巧妙で、これまで公に撮影された膨大な量のフッテージから厳選されたであろう名場面が、実に自然にそしてドラマチックに紡がれている。他国の政治家や実業家との交流の場でも、一般市民の子供達から花束を受け取る場面でも、常に気品があり、時には軽いジョークで周囲を和ませ、「お母さん」のような存在として親しまれてきた姿。かと思いきや、競馬のレース勝敗に小躍りして喜ぶ少女のような様子等、様々な横顔が切り取られており、まさに原題の『Elizabeth: A Portrait in Part(s)』を表している。

 

そして、クイーンズ・イングリッシュと言われるイギリス英語の発音についても堪能でき「実は女王陛下のアクセントは長年の間に変化している」という比較動画には、思わず「ホントだ!」と相槌の声が出てしまった。他にも、ウィンザー城の火災や、ダイアナ妃の事故死など、英国王室には少なくないスキャンダルについても淡々と取り上げられている。しかし、エリザベス女王自身に関するスキャンダルは見当たらないのは凄いことだと、むしろ彼女に対する印象は改めて尊さが増した。

 

75年もの間ずっと衆目に晒されてきた彼女が、21歳で突然に王の立場を受け継いで、それ以来ただひたすらに歩み続けてきたことを「運命よ」と受け入れ、自分のやれることをやってきたのだ、と穏やかに話す姿に気品ある強さを感じる。エリザベス女王は現在96歳、足を悪くされていて全てのセレモニーの場には出られないことも少なくない。願わくば、いましばらく陛下が健やかにあらんことを。そして彼女と我々が見つめる世界が少しでも平和で安寧に満ちたものでいられることも願わずにはいられない。
God save the Queen,and may God bless us all.

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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