映画『ヒットマンズ・ボディガード』をご存じだろうか？ライアン・レイノルズ演じる落ちぶれた凄腕ボディガードがサミュエル・L・ジャクソン演じる因縁の殺し屋を警護する事になる楽しいアクションコメディだが、残念ながら劇場公開が見送られてしまいNetflixでしか観られない、知る人ぞ知る作品だ。豪華なキャスト達の演技やFワード連発の丁々発止な掛け合い、男達のささやかで赤裸々な悩み事、豪快に壊しまくるチェイスシーン、ドタバタなアクションなど見所満載で劇場公開されなかったのが非常に勿体ないと思っていた。なんと続編が前作よりもパワーアップして無事に劇場公開される。

今作の魅力は、やはりサルマ・ハエック演じる殺し屋の妻。前作でも、かなり頭のぶっ飛んだキャラクターで面白かったが、今作では、いよいよ全編に渡って暴走し続ける。メキシコ訛りでまくしたてながらマシンガンをぶっ放す様は完全にトリガーハッピーだ。とんでもなく破天荒な女だが、殺し屋はそんな彼女をとにかく愛している。ただでさえ手のつけられない殺し屋夫妻の相手をしながら世界の危機に立ち向かい、家族問題や資格剥奪の危機を抱えたボディガードのメンタルは爆発寸前である。不憫過ぎて可笑しかった。

勿論アクションもチェイスシーンも盛り沢山で大満足だ。乗り物は豪快に爆発し、ライアン・レイノルズは何度も轢かれ、文句を言いながら命懸けの戦いに挑んでいく。しかも、不謹慎スレスレなギャグに包まれていて笑いが止まらない。また男達が息をするように悪態や泣き言を吐露する様はなんともいえない哀愁を醸し出す。ドタバタなテンションと不謹慎スレスレな面白さ、ボヤき続ける男達の哀愁は人を殺して捨て台詞を決めるタイプのアクション映画を思い出していまう。なかなか明るい話題が見当たらない昨今、とにかく楽しい時間を過ごしたいのなら今作はうってつけだ。

fromマリオン

前作のラストで刑務所から脱走したキンケイド夫婦。タイトルに「ワイフズ」が追加されたことからもわかるように、本作ではサルマ・ハエックの演じるソニアが大活躍する。彼女は、下品な発言も、大胆なアクションやコメディも、全て堂々とやってのけていく。本作の主人公は、実はソニアなのではないか？と、鑑賞中に何度も思わせるほど、彼女の演技は強烈だった。

一方で、前作に引き続き、身体を張ったマイケルの笑い作りも健在。撃たれ、吹き飛ばされ、轢かれ、放り投げられと、キンケイド夫婦に振り回された先々でマイケルの身に起こるハプニングは、前作からスケールアップして、思わず同情してしまうような可哀想なものばかりで笑ってしまう。

マイケルを演じたライアン・レイノルズの『フリー・ガイ』や『デッドプール』などでの不死身キャラを演じた経歴を考えると、自ずと彼なら死なないという安心感が芽生えてくるため、どんな不謹慎な内容でも笑いに変わるから凄い。ライアン・レイノルズが今後の映画作品で不死身キャラをどう更新していくのか、今から楽しみだ。

fromねむひら

このキャストで１作目がまさかのビデオスルー、いや、配信スルーと言うべきか？、と映画ファンの中でも話題になった『ヒットマンズ・ボディガード』。続編となる今作はファン念願の劇場公開！もちろん、一作目を見逃していても、そのまま映画館へ直行して問題ないので、安心して欲しい！前作から引き続き、ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンの掛け合いは、面白くてカッコよく、かなりクセになる！そして、なんと言っても、本シリーズのサミュエルは“F”連発の一番見たいTHE “サミュエル・L・ジャクソン”！ド派手なドンパチ！銃弾に負けないマシンガントーク！久々に観る、スカッとする馬鹿映画、もちろん良い意味で！グレードアップしたキャストに驚きつつも、終始笑える約２時間！『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』は是非、劇場で！

from関西キネマ倶楽部