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引退していた女優が離婚を経てアクション映画にカムバックを目指す姿を描く『野蛮人入侵』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!

2022年3月12日

引退していた女優が離婚を経てアクション映画にカムバックを目指す姿を活写する『野蛮人入侵』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。

 

映画『野蛮人入侵』…

出産と離婚を経て、引退したかつての名女優ムーン・リー。以前ムーンと組んでいたロジャー・ウー監督は、彼女に『ボーン・アイデンティティー』東南アジア版のアクション映画に再び主演してほしいと依頼する。ムーンは幼い息子をロジャーのアシスタントに預け、ロー師範の下、出演のため過酷な武術訓練に励む。しかし、ある日ロジャーから、資金提供者の介入により、ムーンの元夫ジュリアードを相手役として起用することが告げられる。

 

本作は、長編デビュー作『愛は一切に勝つ』(2006)で釜山国際映画祭ニュー・カレンツ・アワードとロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード(最高賞)を連続受賞し、ヤスミン・アハマド監督と並んでマレーシア映画にニューウェーブを起こした伝説の女性監督タン・チュイムイが手掛けた。『夏のない年』(2010)以来、約10年間の監督業休止を経た監督復帰作は、自ら主演・脚本も務めており、展開予想が不可能な新感覚女性アクション映画である。ロジャー・ウー監督を『タレンタイム~優しい歌』の音楽監督などで知られるシンガーソングライターのピート・テオ、ロー師範を『私たちがまた恋に落ちる前に』(2006)のジェームス・リー監督が演じた。

 

映画『野蛮人入侵』は、3月17日(木)18:40よりABCホールでも上映。

マレーシアの女性監督タン・チュイムイが、自ら主演と脚本を務めたアクション映画、と聞くと想像がつかないおもしろさがあった。引退していたことによるアクションに対するブランクを埋めるため、過酷な武術訓練に励む姿は、惚れ惚れしてしまう。しかし、躊躇してしまう無茶ぶりによって違和感を感じ得ずにはいられない状況下の中で、いつしか異世界の飛び込まされたような展開が始まっていく。東南アジア版の『ボーン・アイデンティティー』を作ろうとしている、と作中に登場する映画監督が云っていたが、なんだかその世界に放り込まれているよなぁ、察してしまう。だが、トリッキーな展開や演出が盛り込まれており、驚かざるを得ない。寧ろ様々な映画を観てきた監督が作中でやりたい放題しているようにも感じてしまう。マレーシア映画の底力を見せつけられたような作品であった。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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