『チェイサー』ソ・ヨンヒ×『愛の不時着』キム・ヨンミン×『虐待の証明』クォン・ソヒョンが繰り広げる格差社会サスペンス『マドンナ』がいよいよDVD・配信リリース!
© 2015 LittleBig Pictures. ALL RIGHTS RESERVED
韓国の格差社会での女性の生きづらさ描いた衝撃作『マドンナ』が2月25日(金)よりDVD・配信にてリリースされる。
映画『マドンナ』は、准看護師のムン・ヘリムは、病院への出勤初日を迎えた。VIP病棟に配属された彼女の主な仕事は、全身麻痺の老人チョルオの世話をすることだった。病院の主な出資者であるチョルオは、過去10年間に何度も臓器移植を受けて命をつないできた。サンウは、父チョルオに代わって病院の運営を監督し、皇帝のような生活を送っている。チョルオは病院の大口出資者である億万長者だが、遺言で全財産を慈善団体に寄付することを指示していたため、サンウは10年間、臓器移植を繰り返して父の延命に全力を尽くしてきた。ある日、謎の交通事故で脳死状態となった妊娠中の若い女性、チャン・ミナが病院に運ばれてくる。ヘリムはお金と引き換えに、サンウから“ミナの近親者を探し出して、彼女の心臓を提供するための臓器提供承諾書にサインしてもらう”という指示を受け入れる。ヘリムはミナの過去を探り、ミナが「マドンナ」といいうニックネームで呼ばれ、衝撃的な過去を送っていた事実を知ることになる…
本作は、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門招待を含め、世界各国の映画祭で多数のノミネート及び受賞を記録した。ヘリムを演じるのは、ナ・ホンジン監督の大ヒット作『チェイサー』に出演したソ・ヨンヒ。そのヘリムが対峙する冷徹な男を演じるのは『愛の不時着』や『チャンシルさんには福が多いね』で韓流作品のスターダムにのし上がったキム・ヨンミン。そしてマドンナ役は、本作でのスクリーンデビューを飾るために体重を増やし、役作りをしたクォン・ソヒョン。その演技が認められ、見事に第35回韓国映画評論家協会賞で新人女優賞受賞を獲得した。カンヌ・ベルリン映画祭で自身の作品が上映され、世界的にその実力が認められたシン・スウォン監督が描く。
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映画『マドンナ』は、DVDが2月25日(金)に発売。また、U-NEXT で独占 配信も同日から行われる。
韓国映画は劇伴が過剰なイメージがあった。だが、本作の劇伴はとても静かな雰囲気のテイストが多く、既存作品の印象とは対照的だ。財産のために延命を続けられるチョルオ、周囲には明かせない過去があるヘリムなど、本作に登場する人物の大半が親と子の関係性でどこか失敗している。ミナですら「私は愛されたことがない」と吐露してしまう。タイトルだけから想起されるストーリーにならず、後半の展開力もさすがの安定感。真相に近づくにつれ、男尊女卑の社会環境が齎した劣悪な壁が立ちはだかる。女性たちはどう立ち向かうのか。7年前の制作とは思えないリアリティ溢れる恐怖演出と、病室に蔓延る静かな狂気、2人の死が紡いだラストに涙する。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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