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次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す「ndjc2021」合評上映会!団塚唯我監督、道本咲希監督、藤田直哉監督、竹中貞人監督を迎え舞台挨拶開催!

2022年2月17日

次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の2021年度作品が完成し、3月4日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で上映される。本公開に先駆け、2月17日(木)には、合評上映会が開催され、各作品を手掛けた、団塚唯我監督、道本咲希監督、藤田直哉監督、竹中貞人監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

文化庁委託事業「ndjc(new direction in Japanese cinema):若手映画作家育成プロジェクト」は、次代を担う優れた長編映画監督の発掘と育成を目指し、平成18年度より始まり、今年度で16年目になる人材育成事業。優れた若手映画監督を公募し、本格的な映像製作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施すると同時に、作品発表の場を提供することで、次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指している。
8月に行われたワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ4人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションの協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に短編映画を制作。フレッシュな感性と第一級の確かな技術が作り上げた個性豊かな短編映画4作品が上映される。

 

上映後、団塚唯我監督、道本咲希監督、藤田直哉監督、竹中貞人監督が登壇。各作品に合わせた興味深い制作秘話を聞くことが出来た舞台挨拶となった。

 

 

映画『遠くへいきたいわ』…

21歳の紗良は、アルバイト先へ面接を受けに来た39歳の竹内を見て動揺する。紗良の同僚で恋人の悠人は、竹内が目をつぶったまま車道の真ん中に立つ姿を目撃したことを紗良に話す。なぜか怒りを露わにした紗良は、悠人を置いてその場を去ってしまう。竹内の勤務初日、開店作業を終えた竹内と紗良は、オープンを待つばかりのはずだったが……。監督は『愛をたむけるよ』で数々の映画賞を受賞した団塚唯我さん。モデルの野内まるさんが初主演を務め、『偶然と想像』の河井青葉さんが共演。

 

絵コンテを書いたことがなかった団塚監督は「その時に見たものに対する感覚を研ぎ澄ませていきました。カット割は、動きながら決めていきます」と明かす。女性がメインとなる本作だが、男性を描くことについては「気を遣っていないが、書いている時は迷いがなかった」と振り返る。30分の短編制作については、丁度良く感じており「今出来ることを詰め込んだ。バッティングセンターやホテルでのシーンは、2人の演技を良い距離感で撮影できた」と満足していた。

 

映画『なっちゃんの家族』…

ある朝突然、登校中に家出を思い立った小学4年生のなつみ。ランドセルをコインロッカーに預け、遠くに住む祖母の家へ向かう。祖母は突然の訪問に驚くが、なつみの心境を察して温かく迎え入れる。なつみは両親の不仲がストレスとなり、疲れ切っていたのだ。自然体で接してくれる祖母との時間に癒やされるなつみだったが、翌日、両親が連れ戻しにやって来て……。監督は、学生時代に制作した短編『19歳』がPFFアワード2018にて審査員特別賞を受賞した道本咲希さん。出演は『凶悪』の白川和子さん、『EUREKA ユリイカ』の斉藤陽一郎さん。

 

「私の経験談が元になっている作品です」と明かす道本監督。分かりやすい家族映画にしておらず「会話がない家庭について、家族以外に訴えることは難しいですが、当事者は辛いことで。こんなことは世の中に沢山あり、中途半端な家族関係を描いてみました」と説く。自身の父親に対する印象も描いており「父と母の台詞を書く時、男女の強さや思考の違いはよくあることかな」と淡々と話す。30分の作品については短く感じており「もし長く出来るなら、実は存在しているお姉ちゃんとお兄ちゃんの関係や妹との関係が希薄なので、一緒に家出すると色々とあるだろうな」と思い描いていた。

 

映画『LONG-TERM COFFEE BREAK』…

大手企業に勤める優子は、直樹という男にナンパされる。職業は俳優で、他人の家を転々と居候しながら暮らしているという。これまで出会ったことのないタイプの彼にひかれた優子は、1年後、彼と結婚する。その後、優子と直樹を取り巻くカップルたちに、次々とトラブルが発生。優子の会社の後輩である、みゆきは上司との不倫が会社に発覚し、直樹の親友である将太もまた、既婚者でありながら不倫している。そんな中、直樹に対する優子の感情も徐々に変化していく。監督は、短編『』がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020短編部門でグランプリを受賞した藤田直哉さん。『女子ーズ』の藤井美菜さんが主演を務めた。

 

「男女の普遍的な関係をポップにジャンルに縛られない作品にしたいと思って撮りました」と語る藤田監督。女性の視点を大切にしているが「男性が女性を描く時の限界があり、如何にして乗り越えるか挑戦したかった」と述べ「ジャンル分けしづらい歪な作品を作りたかった」と明かす。男性の姿を描くにあたり「女性が社会に進出しており、男性は自分の弱い部分を見せるしかない」と考え「駄目なところを見せることで、強さからの解放もあるかな」と受けとめている。30分の作品については短く感じており「情報量が多い映画だったので、30分にまとめるのは苦労しました。一番最初につなげた時は40分程度になったので10分を削る作業は大変だった」と苦労しながらも「一方で、短くしたことでテンポが良くなり、映画の良さに繋がった。時間の制約はおもしろいかもしれない」と勉強になった。

 

映画『少年と戦車』…

田舎町で暮らす中学2年生の少年である田崎は、内弁慶な友人の江田との退屈な日常やクラスメイトから受けるいじめにより、息の詰まりそうな毎日を過ごしていた。そんな彼にとって、時折言葉を交わす少女の咲良に思いを馳せることだけが唯一の楽しみだった。ある日、湖に旧日本軍の戦車が沈んでいるという情報を得た田崎は、窮屈な日常から抜け出すべく捜索に向かう。そこで彼を待ち受けていたのは、自身の思春期と向き合う壮大な精神の旅だった。監督は『羊と蜜柑と日曜日』の竹中貞人さん。『コドモ警察』の鈴木福さんが主演を務めた。

 

中学生時代の体験をベースに制作した竹中監督。「学生時代の話を撮りたい」と思いついたと同時に「静岡県の浜名湖に戦車が沈んでいると聞いて、その物語を一つに出来ないか」と構想し、脚本を執筆した。男子の描き方については強弱を考えず「中学生の中にある破壊衝動が表れたものが咲良」と説く。30分の作品についてはバランスよく受けとめており「一番気をつけたのは夢ではなく空想。空想には境界線がないので、濃淡を表現することを事前にスタッフと話し合い演出していきました」と話した。

 

 

若手映画作家育成プロジェクト ndjc2021」は、3月4日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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