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不穏な言葉を残して姿を消した父とその行方を追う娘の姿を描く『さがす』がいよいよ劇場公開!

2022年1月19日

(C)2022『さがす』製作委員会

 

指名手配犯を見つけた直後に謎の失踪を遂げた父親と、平穏な暮らしを壊された娘が抱える苦悩、そして指名手配犯の正体を描く『さがす』が1月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『さがす』は、姿を消した父親と、必死に父を捜す娘の姿を描いたヒューマンサスペンス。大阪の下町に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と言う智の言葉を、楓はいつもの冗談だと聞き流していた。しかし、その翌朝、智が忽然と姿を消す。警察からも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にされない中、必死に父親の行方を捜す楓。やがて、とある日雇い現場の作業員に父の名前を見つけた楓だったが、その人物は父とは違う、まったく知らない若い男だった。失意に沈む中、無造作に貼りだされていた連続殺人犯の指名手配チラシが目に入った楓。そこには、日雇い現場で出会った、あの若い男の顔があった。

 

本作では、『岬の兄妹』の片山慎三監督が佐藤二朗さんを智役として主演に迎え、『湯を沸かすほどの熱い愛』『空白』の伊東蒼さんが楓役を演じるほか、清水尋也さん、森田望智さんらが顔をそろえる。

 

(C)2022『さがす』製作委員会

 

映画『さがす』は、1月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

数々の著名な映画監督の作品に助監督として携わってきた片山慎三監督。『岬の兄妹』ではイ・チャンドン監督の『オアシス』に対する日本映画としての回答だとも感じたが、今作も、とある韓国映画に対する回答のように感じてならなかった。ストーリーテリングが巧みな脚本には驚かされる。前情報を一切入れずに観た方がまさにおもしろい作品だ。立場が変わることによって変化していく人間の多面性に気づかされる。善と悪の判断や価値観を揺さぶられる凄まじい作品に仕上がっていた。

 

なお、大阪出身の片山監督であるが、昨今よくある大阪・西成を舞台にした作品に感じられるコテコテの大阪映画だと感じさせない。西成ありきの作品ではなく、あくまで登場人物達が存在するのが西成である、という定義だ。日雇い労働者の過酷な現場や三角公園での炊き出しも映し出されるが、既存の作品にはない印象がある。こんな日本映画を描ける映画作家がまだまだ存在している、と気づかされた。突然姿を消した父親を捜す娘を描いた作品というディテール以上のことは云えないネタバレ厳禁作品であるため、『岬の兄妹』を観た人はもちろん、観ていない人もぜひ観てほしい弩級の作品であることをここに記しておきたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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