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常に新作が最高傑作!皆さんの熱意でおもしろい作品が撮れた!『truth ~姦しき弔いの果て~』広山詞葉さん、福宮あやのさん、河野知美さん、堤幸彦監督を迎え舞台挨拶開催!

2022年1月9日

ある男の死後、彼と交際していた女性たちが葬儀で鉢合わせ、罵り合いながらも真実を探る様を描く『truth ~姦しき弔いの果て~』が1月7日(金)より全国の劇場で公開中。1月9日(日)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に広山詞葉さん、福宮あやのさん、河野知美さん、堤幸彦監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『truth ~姦しき弔いの果て~』は、数多くの商業作品でメガホンをとってきた堤幸彦監督が、自身の記念すべき映画監督50作目として手がけた自主制作映画で、同じ男を愛した3人の女が本音むき出しでぶつかりあう姿を描いたコメディ会話劇。ある男が事故死した。葬儀が終わった夜、一等地にある男のアトリエに、喪服姿の3人の女が現れる。マウント命な美貌の受付嬢、元不良のシングルマザー、謎多きセレブ医師という全くタイプの異なる彼女たちと、男は3年前から同時に付き合っていたのだった。思いがけず鉢合わせした3人は、己のプライドをかけて舌戦を繰り広げ、やがてある真実にたどり着く。『ひとつぼっち』の広山詞葉さん、声優の福宮あやのさん、『父の愛人』の河野知美さんが主演を務め、佐藤二朗さんが共演。堤監督の原案を基に、『明日の記憶』の三浦有為子さんが脚本を手がけた。

 

上映後、広山詞葉さん、福宮あやのさん、河野知美さん、堤幸彦監督が登壇。関西出身の福宮さんがおり、大阪ならではの賑やかな舞台挨拶が繰り広げられた、

 

最初に、堤監督が「どうも司馬遼太郎です」とボケて「難しいぃ!」とツッコミされながらも「やっぱりいいですね、大阪は、嬉しいです」とご挨拶。「この3人から云われて、逆にリクルートされこの映画を撮ることになりました」と明かし「コロナで私も散々な目に遭ったんですが、そんなに悪いもんではないな。こういう方々と出会えて、しかも50本目。キリのいいところで。7つの映画祭から賞を頂いちゃって」と嬉しそうに話す。拍手を受けながら「イギリス・ニューカッスルの映画祭(ノースイースト国際映画祭)でベスト・コメディ賞を頂いた。云ってしまえば、上方演芸大賞。佐藤二朗が出るや爆笑だった。本当に嬉しい限りでございます」と大阪に合わせて紹介。河野さんは「多くの方に観てもらえて本当に幸せです」と感謝の気持ちを伝えた。兵庫県西宮市出身の福宮さんは、自身の芸名について「福宮の宮は、西宮の宮です。(旧姓が)福井ですが、西宮から来た福井さんで、福宮です。それだけ郷土愛のある地元で舞台挨拶させて頂けることは感無量です」と自己紹介。本作で一番の発起人である広山さんは「私達3人の女優がプロデュース。そして、発起人という形で熱意を監督にぶつけたところ、自主映画を監督が撮ってくださるという成り立ちです。今回、助成金を使って、700万円の映画を2日間のみの撮影で仕上げてまいりました。1年以上、毎日やり取りして、どうやって世の中に映像を出していくべきか会議を重ねて、本日ようやく皆様と一緒に舞台でお目にかかることが出来ました。お客さんがあっての映画」と感慨深く話す。

 

700万円という予算について、堤さんは「こないだ宝くじで初めて100万円当たったよ。この映画に突っ込みました」と打ち明けながらも「どんな規模の予算でも、1カット毎に皆さんに届くことだけを考えて作っているから、どれも同じです」とビシッと語るが「いいこと言っちゃった」とお茶目な姿を見せる。そして「衣装良かったでしょ。でも冒頭5分でボロボロになったでしょ」と話すと、河野さんは「アクションは当日に流れだけ確認して、本気でやりました」と振り返る。福井さんは「あの時、妊娠4ヶ月だったんですよ」と告白しながら「上から2人が覆いかぶさってきた。段取りでは、それを足ではらいのけて2人が飛び出る予定だったんですけど、どれだけ推しても全くどかない。嘘やろ。と思ってたら、カット、OK!と云われちゃって」と大変な撮影となった。これを受け、広山さんは「ベットがすごいフカフカで、沈んでいっちゃうんですよね。本当は全て段取りしてアクションシーンを演じますが、今回は監督の意向によりガチの熱量で演じたかった。私達は傷を作りながらで」と思い返す。彼女たちの熱演に対し、堤監督は「ちゃんと映っています」とフォローし労った。

 

本作のパンフレットには、裏表紙に英語版タイトル『1Night 1Room 3Baddest Bitches』が印刷されている。堤監督は「”姦しき弔いの果て”という文芸的な副題が付いていますが、諸外国においては、このタイトルなんですね」と解説し「Bitchesは、安っぽい意味ではない」と説く。河野さんは「マドンナさんが『全ての女性が最高だ』と賛辞を込めて言ったことから派生して、今はBitchesという言葉が強い女性の象徴として使われている」と説明すると、堤監督は「諸外国ではバカウケして、喜んでくれた」と嬉しかった。さらに、河野さんが「このタイトルは私達と監督の皆で考えてつけています」と添えていく。

 

ここで、シアター内のお客さんにTwitter上から#映画truthによって募った質問から、映画制作の中で印象に残った監督とのエピソードについて聞かれ、広山さんは「監督から厳しい言葉を頂いた。”表現したいものがないなら辞めちまえ”」と明かす。堤監督は「そんな監督みたいなこと言わないよ」とボケると、広山さんは「とても愛情が込められた言葉です。自分が自分に対して悔しくて、やらねばという気持ちになりました」と真摯に受けとめていた。福宮さんは「堤監督とお会いできたことが一番の思い出です」と伝えると、堤監督から「今66歳ですけど、常に新作が最高傑作だと思っている。次にどんなおもしろくて皆さんに印象が強い作品を残すか、のみで生きているので。今回は皆さんの熱意でおもしろい作品が撮れた。是非皆さんを踏み台にして未来に羽ばたいていきたい」と云われてしまい「足にしがみついていきますから」としか言わざるを得ない。河野さんは「私は日本映画に使いづらい」と自負しており「監督が流石だなと思ったのは、何も引っかかりがなくとも私にすぅっと私に役を与えて下さった。コモドドラゴンのポージングを2人で作っていった。監督自身が楽しんでいることが我々にとって有り難いことだった」と感謝の気持ちを込めて話すと、堤さんは「元ネタはタモリさんなんだけどね。形態模写を赤塚不二夫さんの前でやっていたものですね。或いは貞子」と打ち明ける。時間はあっという間に過ぎていったが、終始笑いの絶えない舞台挨拶は名残惜しそうに締め括られた。

 

映画『truth ~姦しき弔いの果て~』は、1月7日(金)より全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開中。また、3月18日(金)より神戸・新開地の神戸アートビレッジセンターでも公開予定。なお、京都・九条の京都みなみ会館でも近日公開予定。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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