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『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンが辿った栄光と破滅の50年に迫る『世界で一番美しい少年』がいよいよ劇場公開!

2021年12月14日

(C)Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

 

ルキノ・ヴィスコンティの名作『ベニスに死す』で、タジオ少年を演じ、その美しさで世間を魅了した、ビョルン・アンドレセンに迫ったドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』が12月17日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『世界で一番美しい少年』は、ルキノ・ビスコンティ監督の『ベニスに死す』で主人公を破滅に導く少年タジオ役を演じたビョルン・アンドレセンの50年間に迫ったドキュメンタリー。巨匠ルキノ・ビスコンティに見い出されて『ベニスに死す』に出演し、「世界で一番美しい少年」と称賛されたビョルン・アンドレセン。世界中から注目を集めた彼は、日本でもファンに熱く迎えられ、池田理代子の漫画「ベルサイユのばら」の主人公オスカルのモデルになるなど、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。それから50年近い年月が流れ、アリ・アスター監督作『ミッドサマー』の老人ダン役でスクリーンに登場し、その変貌ぶりが話題となったアンドレセン。年老いた彼は、かつて熱狂の中で訪れた、東京、パリ、ベニスへ向かい、懐かしくも残酷な、栄光と破滅の軌跡をたどる。その旅路とともに、人生を運命づけられてしまったひとりの人間の心の再生を映し出す。

 

(C)Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

 

映画『世界で一番美しい少年』は、12月17日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸などで公開。

ちょうど2年前、『ミッドサマー』をマスコミ試写で拝見した際、とある関西の映画評論家が「あのおじいさん、ビョルン・アンドレセン!?」と驚いていた。重要な俳優であると知り、改めてビョルン・アンドレセンを調べてみることに。なんだ、この美少年は!!まさに美しい絵画のような佇まいの方が存在していたのか、と驚いた。美少年と云われた15歳の頃を考えると、今はこんな風におじいさんになっているのは仕方がないのか。彼が歩んだ人生の本質を本作は見つめようとしていく。

 

ルキノ・ビスコンティ監督に見い出されて『ベニスに死す』に出演したわけだが、結局、ヴィスコンティは彼に地獄のような出来事を体験させてしまう。とはいえ、表沙汰はせず、各国へのキャンペーン活動も積極的に行っていく。日本にも来ていました。ハードスケジュールをこなすため、舞台裏では大変な思いをしている。それでも、資料によると、日本への愛情は止まないことがせめてもの救いといっても良いだろうか。子役や少年役として大人気になってしまうと、最終的に危険なものに手を出してしまい人生を棒に振ってしまうことは多くはないかもしれないが、どうしてもセンセーショナルに見え記憶に残ってしまう。最終的には学生に戻り、その後は劇団を運営しつつひっそりと暮らしながら、たまに映画にも出演してきた。とはいえ、人間不信に陥っていた頃もあり、本作についての撮影を承諾には3年を要していたようで。無事に本作が公開され彼のことが理解されることを切に願うばかり。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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