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無一文の難民からドーナツ王へ、テッド・ノイの数奇な人生を辿るドキュメンタリー『ドーナツキング』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年11月15日

(C)2020-TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.

 

アメリカに渡り、ドーナツ店の経営で成功し莫大な富を手にした、“ドーナツ王”とも呼ばれる、カンボジア系アメリカ人のテッド・ノイの人生に迫ったドキュメンタリー『ドーナツキング』が11月19日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『ドーナツキング』は、アメリカで「ドーナツ王」と呼ばれるカンボジア人男性テッド・ノイの人生に迫ったドキュメンタリー。無一文でカンボジアからアメリカへ渡り、ドーナツ店の経営で資産2000万ドルを所有する「ドーナツ王」となったテッド・ノイ。誰もがうらやむアメリカンドリームを掴んだ彼は、なぜアメリカに渡り、いかにしてドーナツ店経営に至ったのか。カンボジア内戦や難民問題、大手チェーン店と個人経営店が対立する最新ドーナツ事情まで、数々の困難を乗り越えてきた彼の数奇な半生を描き出す。『ブレードランナー』等の名匠リドリー・スコットが製作総指揮に名を連ねる。監督は新人のアリス・グー。

 

(C)2020-TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.

 

映画『ドーナツキング』は、関西では、11月19日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と京都・烏丸の京都シネマ、11月20日(土)より神戸・三宮の神戸国際松竹で公開。

アメリカ本国での評価が高かったので、かなり期待していたが、その期待を遥かに上回るおもしろさだった。カンボジア内戦を生き延びた男が歩んだ80年におよぶ人生の振り返りであり、戦後アメリカ経済史の一側面をダイジェストで見られる記録でもある。

 

内戦で虐殺が行われていた故国から逃れ、遠く離れたアメリカの地に一文無しで辿り着いたテッド。移民への支援を受けながら、家族と死に物狂いで働いて金を貯めてドーナツ屋を開き、少しずつ広がってゆくそのビジネスが他のカンボジア難民たちの生活までも救っていく様子は感動的だ。それだけに、彼の人生の後半に起きる予想外の変化には、なんとまあ…と驚かされる。「アメリカンドリーム」という言葉がまだ通用していた時代。アメリカという国が移民を受け入れ、その支援に積極的に取り組むことを公言していた頃の世相を見ることができる。ダンキンドーナツなどの大手とどうやって競争できたのか?という種明かしも、この時代ならではの構造で興味深い。そして終盤には、この作品の第二幕とも言える、テッド本人の人生を離れたところでのドーナツ業界の今が映し出されるのだが、これがまた本当におもしろい。現代のドーナツ店の界隈は、なるほどこんな事になっているのか…!

 

本作を観終わった後はきっとドーナツが食べたくなるので、映画館からの帰りに寄れるドーナツ屋さんの場所を、観に行く前にあらかじめ確認しておくことをオススメしたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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