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授業もテストもない!大人と子供が対等に話し合う鳥取の新田サドベリースクールのドキュメンタリー『屋根の上に吹く風は』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年10月19日

(C)SAKAE ASADA

 

鳥取県智頭町で、授業もクラスもテストもない学びの場を実践する新田サドベリー・スクールを記録したドキュメンタリー『屋根の上に吹く風は』が10月22日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『屋根の上に吹く風は』は、鳥取県の自然の中で、主体性を育む学校づくりに奮闘する人々を1年間にわたって記録したドキュメンタリー。子育て中の親たちが中心となって2014年に開校した鳥取県智頭町のオルタナティブ教育校である新田サドベリースクール。子どもたちが自分で考えて判断する力を身につけることを目指す同校では、学校のルールづくりや全体の運営などの全てに子どもたちが携わり、サポート役の大人も「先生」ではなく「スタッフ」という位置づけで子どもたちによって選ばれる。ひとりひとりの個性に応じた柔軟な学び場の実現に向けて葛藤する大人たちと、「やりたいこと」だけでなく「やりたくないこと」への自由をも許容する空間で居場所を見いだしていく子どもたちの姿を映し出す。長年にわたってテレビ業界でドキュメンタリー番組を制作してきた浅田さかえが長編映画監督を務めた。

 

(C)SAKAE ASADA

 

映画『屋根の上に吹く風は』は、関西では、10月22日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、10月23日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。

以前、別のドキュメンタリー映画監督から、テストのない学校のドキュメンタリーを撮影していると聞いたことがある。それが本作でカメラが向けられた新田サドベリースクールではないだろうが、先に今作が公開されたことが意義深い。新田サドベリースクールの姿を見ていると、小さくも民主主義の社会が学校の中に確立されていることに驚かされた。現在の学校教育でも総合学習の時間があったり、総合学科と呼ばれる学科を備えた学校があるが、ここまで方針が徹底された空間はないだろう。

 

驚かされた活動を挙げるなら、まず挙げたいのは喫茶店運営。皆がやりたいことに手を挙げることに感心するが、実現するためのリスクを如何にして解決していくか、お金に関する心配についても大いに悩み諦めそうになりながらも立ち向かっていく。規模が違えど、大人がビジネスを遂行していく上で立ちはだかる課題に違いはない。子ども達でもここまで実現できるんだ、と驚かされた。さに驚いたのは、サポート役の大人である「スタッフ」は子ども達による選挙で行われる、ということ。選挙委員会の一人となった子ども達にスタッフを雇用することの意味を十分に考えさせた上で、選挙を行っていた。まさに民主主義の社会を映し出している。既存の学校だけでは学べないようなことを存分に経験して新田サドベリースクールを卒業後、大きな社会でどのように生きていけるのか、その後の姿を楽しみにしたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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