かつては認め合い正反対の性格ながらも相棒同士だった2人の刑事による執念と野心が激突するさまを描く『ビースト』がいよいよ劇場公開!
(C)2019 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & STUDIO&NEW. All Rights Reserved.
元々は相棒同士だったふたりの刑事が、ある猟奇殺人事件をきっかけに衝突する様を描く『ビースト』が10月15日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ビースト』は、猟奇殺人事件に運命を狂わされた2人の刑事を描いたノワールスリラー。かつては互いを認め合い、正反対の性格ながらも相棒同士だった刑事ハンスとミンテ。仁川で猟奇殺人事件が発生し、捜査1班を率いるハンスと2班を率いるミンテが昇進をかけて捜査に乗り出す。やがてハンスは容疑者を逮捕するが、冤罪を確信したミンテが独断で釈放したことで捜査は混迷を極め、2人の溝はさらに深まっていく。そんな中、情報屋のチュンベに呼び出されたハンスは、猟奇殺人事件の情報を提供する交換条件として、チュンベが起こした殺人の隠蔽工作に加担。チュンベからの情報を元に、容疑者のアジトを突き止めるハンスだったが…
本作は、『さまよう刃』のイ・ジョンホ監督が、2004年のフランス映画『あるいは裏切りという名の犬』を大胆に翻案。『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』のイ・ソンミンがハンス、ドラマ『梨泰院クラス』のユ・ジェミョンがミンテを演じた。
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映画『ビースト』は、10月15日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月15日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。また、10月29日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
1980年代に起きた実話を基にしたフレンチ・ノワール『あるいは裏切りという名の犬』をベースにして、韓国ノワールとして大胆に翻案した本作。一度見出したら目が離せない韓国ノワールとして新たな名作が生み出されたといっても過言ではない。猟奇殺人事件を扱った韓国映画はいくつもあるが、本作は異なっている。事件に向き合ったのは、かつては互いを認め合い、正反対の性格ながらも相棒同士だったがいがみ合うようになった2人の刑事。次第に事件よりも2人の駆け引きを見せるノワールだなぁと思ってみていたら、事件の展開も予想だにしていない出来事が描かれていく。事件の行く末と人間の駆け引きを同時に描きながらストーリーを展開しており、気づけばどちらも見逃せない。ストーリーをツイストさせていく手法も驚くばかり。予想だにしていない斜め上の展開が次々と繰り広げられ、最終的に何処へ落ち着いていくのか最後の最後まで分からなかった。
『ビースト』と名付けられた本作。猟奇殺人事件の犯人がビースト(獣)なのか、或いは2人の刑事がしでかしていくことが獣として形容してよいか。あるいは彼等を取り巻く者達の中にもビーストが潜んでいるのか。英題として命名したのも秀逸である。決して見逃すことができない韓国ノワールを存分に最後まで満喫してほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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