男手ひとつで娘を育ててきた牧師が、娘の病気が発覚し変化していく姿を描く『マイ・ダディ』がいよいよ劇場公開!
(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会
つつましくも幸せな日々を送っていた一児の父で小さな教会の牧師である男性が、突然一人娘が病に侵されながらも、前向きに生きていこうとする姿を映し出す『マイ・ダディ』が9月23日(木・祝)より全国の劇場で公開される。
映画『マイ・ダディ』は、愛する娘を救おうと奔走する父親役を演じた人間ドラマ。小さな教会で牧師を務める御堂一男は、8年前に妻に先立たれ、中学生になる一人娘のひかりを男手ひとつで育ててきた。優しく、面白く、お人よしで誠実な一男は、牧師として皆から慕われ、掛け持ちのアルバイトでも頼りにされ、ひかりも素直で良い子に育ち、決して裕福ではないが幸せな日々を送っていた。そんなある日、最愛の娘が病に侵されていることが判明する。[配給:イオンエンターテイメント]
本作は、『ちょき』『ゆるせない、逢いたい』の金井純一監督が、映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM 2016」で準グランプリを受賞した自らの企画『ファイディング・ダディ (仮) 』を映画化。ムロツヨシさんが映画初主演を果たし、ひかり役を第8回東宝シンデレラオーディションでファイナリストに選ばれ、映画『 WE ARE LITTLE ZOMBIES 』でデビューした新人の中田乃愛さんが演じた。
(C)2021「マイ・ダディ」製作委員会
映画『マイ・ダディ』は、9月23日(木・祝)より全国の劇場で公開。
予告編を観た段階で本作は感涙必至な作品だなぁ、と感じてしまった。主人公の御堂一男が亡き妻に関する衝撃の事実を知ってしまった後、とある破裂音を起こしてしまったシーンの段階で、どうしようもないやるせない感情を抱かざるを得ない。妻との関係は一体何だったのか。されど、対峙しないといけない一人娘のひかりが抱える病状について必死になって向かい続けた姿は応援したくなる。状況の変化に声を上げて一喜一憂してしまった。脚本の作り込みも興味深く、時制を行き来しながらも主人公と亡き妻の江津子が歩んできた人生はやるせなくも愛おしい。
なお、本作に出演する各キャストの演技には、これまでに観たことがなかった新しい魅力がある。本作が初主演となるムロツヨシさんは言わずもがな、ひかりを演じた中田乃愛さんはまさに体を張って演じきった。個人的には毎熊克哉さんの演技の幅には驚いてしまう。猛特訓したであろうが、吹き替え無しでこんなことまで出来るとは…『ケンとカズ』で注目され様々な作品に怒涛の勢いで出演してきた中で本当に新たな一面を垣間見た作品だと云いたい、
そして、クライマックスシーンでは、父親の一男と娘のひかりが命を賭けて向かい合う長回しのシーンがある。様々な感情を抱えてきた中で、お互いに納得するまで語り合い、未来に向かって進むことが出来るか、渾身の演技を見せつけた。その時、本作のタイトルに込められた意味を実感する。親子の絆を改めて考えさせられる作品だと思い知らされた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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