“お茶汲み社員”が大企業の不正に立ち向かう『サムジンカンパニー1995』がいよいよ劇場公開!
(C)2020 LOTTE ENTERTAINMENT & THE LAMP All Rights Reserved.
大企業に勤める高卒の女性社員3人組が、会社が隠蔽する汚染水流出の真相を暴く姿を、実在の事件をモチーフに描く『サムジンカンパニー1995』が7月9日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『サムジンカンパニー1995』は、国際化のため激変する1990年代の韓国を舞台に、大企業に勤める3人の高卒女性社員たちが、会社の不正に立ち向かっていく姿を痛快に描いたコメディドラマ。1995年、ソウル。大企業サムジン電子に勤める高卒の女性社員たちは、すぐれた実務能力を持っていても、任されるのはお茶くみや書類整理など大卒社員のサポートばかり。しかし、そんな彼女たちにもチャンスが訪れる。社の新たな方針で、TOEIC600点を超えたら「代理」という肩書を与えられることになったのだ。ステップアップのため英語の勉強に励む女性社員たち。ジャヨンもそんな女性社員のひとりだが、ある時、彼女は会社の工場から汚染水が川に流出しているのを目撃する。その証拠を会社は隠ぺいしようとしていたが、ジャヨンと同僚たちは解雇の危険も顧みず、真相解明に向けて奔走する。
本作では、ジャヨン役で『グエムル -漢江の怪物-』『スノーピアサー』等ポン・ジュノ作品で知られるコ・アソンが主演。ジャヨンの同期ユナ役で『ハッピーログイン』のイ・ソム、シム・ボラム役に『スウィング・キッズ』のパク・ヘスが共演。監督は『花、香る歌』のイ・ジョンピルが務めた。
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映画『サムジンカンパニー1995』は、7月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、7月9日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、7月24日(金)より京都・九条の京都みなみ会館にて公開。また、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。
「OL」という言葉がまだ一般的だった社会で、雑用ばかりさせられながらも昇進を夢見て奮闘する高卒女性社員。本作は、そんな彼女達が会社の不正に立ち向かう社会派エンタメだが、決して女性だけの物語ではない。理不尽な世の中の仕組みと戦う、全ての達に向けた作品である
舞台はグローバル化が進む1995年の韓国。ヘアメイクやファッションを始め、パソコンや小物など細部まで再現された当時の様子は、一言で表すと「一昔前」の光景だ。それは外見やセットだけに限らない。制服を着たお茶汲み要員。実力に関係なく学歴であからさまに区別される役割。職場環境も含めた時代の空気感が「一昔前」を感じさせ、一種の安堵がある。「もうこんな価値観は古いよね」という前提認識が共有されていた。つまり、本作がもたらす爽快感は、単に演出や構成の巧みさによるものではなく、社会は確実に変わってきた、変えてきたのだという実感であり希望だ。もちろん、内部告発をめぐるドラマチックな展開や主役3人組のシスターフッド、クセの強い同僚や上司など見所も盛りだくさん。特に『グエムル -漢江の怪物-』でも制服姿が印象的だったコ・アソンが、今作では「組織」という怪物相手に逃げることなく挑む姿に、つい親戚のような気持ちになって応援してしまう。
何度挫折しても立ち上がる彼女達の姿や、劇中に出てくるセリフに共感し、励まされること間違いなしの一本。社会にモヤモヤすることの多い人にこそ、是非鑑賞をお薦めしたい。
fromマエダミアン
TOEICの国別平均点ランキングで、アジア第一位はフィリピン。何年も前からスコアは700点を超えており、フィリピン人講師によるweb英会話利用する日本人が多いことも頷ける。そして、アジア第二位が韓国だ。スコア700点弱は、500点弱という日本の平均点と比べてみても、韓国全体の英語レベルが高いと数値ではっきりと示している。
本作は、20数年前の韓国、今ほどは英語教育が行き届かず、ある会社では「TOEICで600点を取れば責任者級に昇進できる」という制度があった頃のお話。女子社員達による英語教室のエピソードから始まり、工場排水がもたらす公害問題を追う彼女達、そして明らかになってゆく真相。社内の人物達は、いったい誰が何を企んでいるのか最後まで分からず、次々とひっくり返る展開がとんでもなく面白い。
英語力は直近20年で大幅に底上げされた韓国。しかし、女性の職場での地位や待遇も改善されたかというと、やはりそうは言えない。近年は日本でも公開されることが増えてきた本テーマを描いた作品に、またひとつ重い意味のある作品が加わった。しかし、本作は、観終わった後にきっと気持ちよく劇場を後にできるはずなので、ぜひ気負わずに観てみて頂きたい。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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