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どこでも私が主人公として生きていける…!役者として芽の出ない日々を送る女性を演じた『スレイト』アン・ジヘさんに聞く!

2021年6月21日

幼い頃からアクションスターを夢見るも、役者として芽の出ない日々を送る女性を主人公にしたアクションエンタテインメント『スレイト』が6月25日(金)より全国の劇場で公開される。今回、アン・ジヘさんにインタビューを行った。

 

映画『スレイト』は、アクションスターを目指す主人公がスタント仕事の現場でパラレルワールドに入り込んでしまい、極悪の独裁者から村人を救うために戦うはめになる姿を描く韓国製ガールズアクション。幼い頃からアクションスターになることを夢見ていたヨニは、卓越した剣術の腕前を持っているが、なかなか役者として芽の出ない日々を送っている。ある日、アクション映画のスタント役として撮影現場に入ったヨニだったが、なぜかそこはパラレルワールドで、人々が剣で殺し合う世界だった。映画の撮影だと思い込み敵を倒していくヨニは、その姿を見た村人たちから村の守護者として歓迎され、村人を救うために悪者と対峙することになるが…

 

映画初主演とは思えない程にアクションシーンが圧巻の本作。アン・ジヘさんは、小学校4年生の時から大学1年生の時まで器械体操をしており「 演技に転向しながら私が持っている才能を活かすことが出来れば。 運動をしながら鍛えられた筋力と体力と器械体操技術をアクションに活かせれば、結果がついてくる」と考えていた。さらに、テコンドーの足蹴りと柔道の体落、剣術、乗馬、国弓、ボクシング等を学び、完成度の高いアクションを披露するために本格的にアクションスクールで学んでいる。アクション映画については『ラストサムライ』『ミッション·インポッシブル』『アベンジャーズ』『ワンダーウーマン』『Mr.&Mrs. スミス』『ロッキー』等を好んでおり「好きな俳優はトム·クルーズ、アンジェリーナ·ジョリー、スカーレット·ヨハンソン。アクションにも感情と情緒が込められていなければならない。 拳を振り、蹴り、剣を振り、銃を撃つ時にも私にだけ表現できるようなアクションをお見せしたい」と意欲は満々だ。

 

また、アクション以外にも、シリアスなシーンからコメディタッチまで様々な要素が詰まった作品となっており「とにかく、ヨニというキャラクターを演じるのに集中していましたね」と振り返る。ヨニについて「とても幼い年で別れという感情を分かるようになり、”寂しさ”と”待つこと”の中でそれなりに強く生きていく方法を身につけたでのしょう。主人公にならなければならない、という漠然とした未来のために、自分を洗脳させるしかなかった幼いヨニはそのように成長したでしょう」と捉え「 彼女は、心の片隅に痛みを埋めていた。幼いヨニが感じている寂しさを感じるために、できるだけ自分独りの時間を持つように」と努力した。具体的には「 口数を減らし、一人でいる時間を増やし、明かりが消えた部屋の中で、一人で時間を過ごしたり、歩き回ったり、そのように感情を極度に自制しながら、幼いヨニの感情を感じよう」と役作りをしており「 明るさをより明るく感じるためには暗さがより濃くなければならない。成長したヨニは、表向きでは誰よりも明るく、肯定的な子に成長します」と自信がある。

 

ヨニは「主人公であること」に強い思いを持っており、アン・ジヘさんは、シナリオを読んでいくほど共通点が多く感じていく。 「私も幼い頃、ヨニのように他の人が私を認めてくれてこそ主人公で、その位置にいてこそ真の主人公だと思っていました。 おそらく、運動選手として1番でなければ誰も覚えてくれないし、認めてもらえず、意味がないと自然に思ったせいだと思います」と回想しながらも「しかし、今の私は 1番ではなくても、誰かに主人公と呼ばれなくても、主人公になろうとしなくても、どこでも私が主人公として生きていけている。成長したヨニも、今の私のように考えている」と確信している。ヨニを演じてみて、確信が足りなかった自身に対する信頼を得られるようになったが「 『出来る』『良くやっている』と自分自身を励まして、毎日『お前はすでに主人公だ』と自分自身に言い聞かせましたが、いつも『本当かな』『私はやり遂げられるのか』 と疑いと恐怖の中で、最初は自分を信じられなかった」と打ち明けた。 しかし、ヨニを通じて「もう一度、これまで歩んできた時間を振り返って考えることができ、一歩一歩、頑張っていけば、きっといいことが起きるだろう、と確信を持てるようになりました」と自信に満ちている。

 

今後について「観客の皆様と一つになって、希望と勇気と感動を与えることができる、そんな俳優になりたい」と意気込んでおり「 私は欲張り。 今はやりたい役がとても多い。 どんなジャンルであれ、私を必要とする作品があれば 挑戦してみたい。 そして、まだ見せていないアクションが沢山あり、 多くのアクション映画に挑戦したい。 韓国で認められ、また世界で認められるアクション俳優になることがもう一つの目標」と大きく未来を見据えていた。

 

映画『スレイト』は、6月25日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月25日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、7月2日(金)より京都・九条の京都みなみ会館、7月10日(土)より神戸・新開地の神戸アートビレッジセンターで公開。

主演のアン・ジヘさんによるアクションを楽しませてくれることに全振りしたチャンバラアクション。パーカーとスニーカー姿の彼女が、悪漢たちを斬りまくる!というビジュアルイメージが最初にある。見せ場を成り立たせるためにはどんな設定にしよう?異世界ならなんでもアリでいけるじゃん!と振り切っていた。映っているだけで画面を映画として引き締める存在感がある。異世界に迷い込んで心細いはずのヨニが見せる凛々しい表情、はたまた危機感を忘れるようなコミカルな展開、そしてちょっぴりエモいアイデンティティーの悩みも差し込まれ、「主人公」というこの作品の重要なキーワードを背負ったヨニというキャラクタの魅力が次々と引き出されていく。本作には映画館のスクリーンで観ると少し楽しくなるような趣向が凝らされている。タイトルのスレイト(カチンコ)は、キーアイテムとして重要なタイミングで登場するが、もしかしたら、ヨニが戦っていた異世界とは。。。? そんな話を、映画館で観た方々と一緒に語ってみたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

 

こんなに面白いギャグ(アクション)映画が韓国でも制作されていることに正直驚いた。本作は、孤児として捨てられた主人公ヨニが、パラレルワールドに迷い込み”主人公”になることで、自身を”約立たず”だと感じる長年のトラウマと向き合う成長物語である。目を引いたのは、低予算を感じさせるザラついた編集の切り口に塗り込められた絶妙な画の作りと、ヴィランたちの完璧な”悪”の演技だ。突然挟まるテロップ付きの人物紹介には格好良すぎて感嘆の声が挙がる。『キル・ビル』を彷彿させる日本刀を扱ったアクションシーンや、練られたセットと非現実世界だからこそ魅せられるCG演出の部分においても非の打ちどころがない。加えて癖になりそうな濃いキャラクター達。「君は絶対主人公になれない」「主人公じゃないと捨てられる」「偽物」という言葉にどのように向き合い、ヨニが自身を解放していくのかが興味深かった。もはや上質なB級アクションを観ているような感覚。韓国映画界は作品をいつも面白く仕上げてくるので今後も目が離せない。

from君山

 

近年、日本のアニメシーンにて一大ムーブメントとなっていた異世界転生剣士モノが韓国映画に!コメディタッチなスタートから一転、凄まじい殺陣と、アメコミ的な演出で魅せるスタイリッシュなアクションに物語はグングン加速してゆく!調べても特定すことができなかったのだが、作中にかかる劇伴がとにかくカッコよく、どこか”キルビル”を彷彿とさせるチャンバラアクションがエモい!!また今作で初主演をスタント無しで演じたアン‪・ジヘ。作中だけの物語に留まらない、リアルストーリーにも感極まるモノがあった!

from関西キネマ倶楽部

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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