マンガ家アシスタントが殺人現場を目撃したことから運命に翻弄される姿を描く『キャラクター』がいよいよ劇場公開!
(C)2021 映画「キャラクター」製作委員会
殺人鬼と出会ったことで、数奇な運命を辿る漫画家の末路を描く『キャラクター』が6月11日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『キャラクター』は、マンガ家として売れることを夢見る主人公が、偶然にも殺人事件の第一発見者となったことで展開していくダークエンタテインメント。漫画家として売れることを夢見て、アシスタント生活を送る山城圭吾。ある日、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった山城は、警察の取り調べに「犯人の顔は見ていない」と嘘をつき、自分だけが知っている犯人をキャラクターにサスペンス漫画「34」を描き始める。お人好しな性格の山城に欠けていた本物の悪を描いた漫画は大ヒットし、山城は一躍売れっ子漫画家の道を歩んでいく。そんな中、「34」で描かれた物語を模した事件が次々と発生する。
本作は、菅田将暉さんと本作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIのボーカルFukaseさんの共演によるダークエンタテインメント。『20世紀少年』など数多くの浦沢直樹さん作品にストーリー共同制作者として携わってきた長崎尚志さんによるオリジナル脚本を、『世界から猫が消えたなら』『帝一の國』の永井聡監督のメガホンにより映画化。主人公の山城役を菅田さん、殺人鬼の両角役をFukaseさんがそれぞれ演じる。
(C)2021 映画「キャラクター」製作委員会
映画『キャラクター』は、6月11日(金)より全国の劇場で公開。
日本映画としては久々に惹き込まれるダークエンターテインメント。原案を手掛けたのは、「20世紀少年」「MASTERキートン」を始め、浦沢直樹さんの作品を数多く手掛けてきたストーリー共同制作者である長崎尚志さん。10年の歳月をかけて、練りに練り上げた企画だと聞き、まさに一筋縄ではいかぬストーリー展開の連続だということが納得できる。よくあるサスペンス映画の展開を決して選ばず、どの方向にベクトルを向ければ、危険で尚更におもしろい作品になるか徹底して考えられている作品だ。
時折あらわれる小道具が意図するものは、近過ぎず遠過ぎず丁度良いタイミングを以て伏線回収されていくので、観客としても気持ち良く観ていられる。勿論決して褒められるような出来事は起こっていないが、ゾクゾクっとさせらせる出来事の連続であり、次はどのようなタイミングで事件が起こってしまうのか気になり見入ってしまうしかない。本作終盤の直前には、意外な人物が悲惨な最期を迎えてしまう。このタイミングでこんな事態を迎えると、最終的にどんなクライマックスを迎えるんだ!?と予測不可能な展開にいざなわれる。まさに良くできた脚本だ。出来過ぎた脚本であることから却って賛否が分かれるかもしれないが、大いに称えたい。なお、本作は、長崎尚志さんの原案を基にして、小説や漫画も展開されている。それぞれ映画と異なるエンディングを描いているとのこと。是非とも読み比べて、より一層に『キャラクター』の世界を楽しみたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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